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教養課程 プロの戦略と戦術

プロの戦略と戦術 プロのバイブル

古今東西の相場における定石・セオリー、さらには投資家心理を如実に捉え、それらを凝縮した珠玉の「金言&格言」は、皆様の相場に対する支柱になるものと確信しています。
千変万化する相場の中にあって、皆様の「一筋の光明」また「一服の清涼剤」さらには新たな戦略への「礎」となれば幸いであります。

授業の開始

東京先物大学の教養課程は、1課程を30日間で終了しますが、皆様(生徒)が完全に暗記する(原則3年間で卒業)までの反復学習となります。
この課程の開始日は入学日となり、例えば入学日が21日の場合は20日までが1課程の授業となります。
この授業内容は、一年間を目安に内容を随時変更していきます。
今回は、宗久翁秘禄・八木虎之巻から現代の格言を紹介しながら授業をいたします。
決して焦ることなく、決して諦めることなく、謙虚に学習をしましょう。

  • 1日 相場は踏み出し大事なり

    相場は仕掛けがなによりも大切であり、最初の建玉が全ての勝敗を決する。
    ゆえに仕掛けを何よりも重んじ、建玉するにあたり、充分値段を引きつけ、急所を待って出動する。
    ひとたび出動したならあれやこれや、決して迷ってはならない。相場が未だ熟せず中途半端な折は、必ず曲がり玉となる。心すべきである。
    万一仕掛けが思わしくなければ、迷うより直ちに手仕舞いすべきである。

    一つ
    また売買を決して急いではならない、急所に至らない折に、売買を次々行っては最初の仕掛けの悪い時と全く同じとなり、その結果は火を見るよりも明らかである。

    二つ
    建玉をする上において、今日がチャンス、今日よりほかは無いと勇み立つ、この様な時は三日待つ事である。
    この三日間の間に値段を充分引きつけ、相場は熟し、急所に至る事となる。
    売買を決して急いではならない。

    三つ
    建玉をする際は、現在の値位置が天井に属するのか、大底に属するのか、はたまた中段に属するかを建玉する前に予め確認した上で売買をする事である。
    すなわち建玉した時点より手仕舞いの位置を予め想定する。

    四つ
    天井圏、または底値圏に至らぬ時は、気長にたとえ幾月でも観察し、急所に至った時は果敢に売買すべきである。
    天井圏、底値圏を認識する事は、売買の確率をより一層高める必須条件である。

    五つ
    この様に天井、底を知ると云う事は、持ち合い中の中段は休み、リスクを出来るだけ避けなければならない。
    一方収益の上がっているときは、猪突猛進せず、強欲を張らず、腹八分で利食うことである。
    ひと波動相場を取れば、次に一呼吸置く。
    この一呼吸が底の値位置を教え、また、天井の伸びきりを教えるものである

  • 2日 分限に応じ、相定める

    相場を志す者、建玉する上においては満玉を張らず、投資資金枠をあらかじめ設定し、自己のゆとり資金に応じ、また目指す相場に応じて、資金配分をあらかじめ考慮し、仕掛け(建玉)の前に枠設定をすべきである。

    一つ
    建玉をする時は投資資金を分割し、投資資金枠は現在自分自身の無理の無い資金を設定し、いかなる相場の急変の折でも、その投資枠の中にて処理可能な建玉とする事である。
    買い玉を建てるならば、釣りならあたり、軍隊なら斥候隊、相場なら1/9程度を仕掛け、その相場の手応えを計るべきであり、斥候玉があたり、利益が応分に出、初押しの急所にて本玉を入れる。
    あらかじめ建玉前に想定した投資資金枠に至り、値段も予想通りの上昇、いわゆる資産玉作りを指す。あとは相場の上昇をしっかり待っておれば良い。
    予測通りに相場が上がってきても、有頂天になったり、欲に迷い、ここでさらに買っておけば利益は一気に増大すると、欲に駆られて高値に飛びつき、資金を出しきれば、逆ピラミッドの最悪の建玉となり、買い平均値は一気に上限に近くなる。
    この様な時、少々の下げでもすでに追証を入れる資金もなし、失敗するのは目に見えている。

    二つ
    故に、相場で買いから入る時は、最初の計画通り斥候玉、本玉、利乗せ、ここに至る状況でも片玉である以上、投資資金1/3を限度とする最初の見積り以上の投資資金を建玉してはならない、その範囲内に留めるべきである。
    売り玉を建てる時もその理由は、上記買い建玉説明と全く同じである。
    この様に、宗久翁は今で言う1,2,3のナンピン投資資金枠の1/3。
    現代の建玉技術をすでに確立していたと思われる。

  • 3日 相場引き上げ大騒ぎのこ

    日々高値に次ぐ高値、新値に次ぐ新値にて踏み続出。
    記録的な大商いが続き、市場は熱狂し万人大騒ぎにて一気に目先天井に至る。
    目先天井より利食い殺到、あっと言うまの急落に次ぐ急落も、この様な相場はまだまだ押し目買いの気運強く、むしろ千載一遇のチャンスと買いそびれていた投資家の新たな買い仕掛けを誘う事となる。
    相場は昨日までの急落が嘘の様に、一気にまた切り返す。通常前回の高値まで切り返し強ければ、それ以上、上抜く二番天井を付ける事となる。
    いよいよその相場に力が無くなり、天井のノコギリもしくは上げ悶える様相を示しつつ、極些細な事から下げ初め、次に本格的な下落へと突入する。
    この様に、二番天井の相場そのものに勢いが無くなった折、初めて本格的な売り玉を建て、売り戦法の陣を敷く事となる。

    一つ
    人気が横溢している時は、たとえ相場が一時的に下がっても、相場は再び買い上げられる。目先天井を付けた相場はすぐに買う人無く、さらに一段安を付ける事になる。
    この様な時こそ、再び買い上げる絶好のチャンスとなる。
    先の総踏みの恐怖もあり人々は疑心暗鬼、売り玉を躊躇している間に、急落相場は一気に急騰相場となる。
    これが今で云う二番天井の構成である。この折悪くても前回の高値と同じ、強ければ新値新値と舞い上がり、文字通り大型二番天井を付ける事となる。

    二つ
    相場の突っ込みの強さを計り、油断無く買い玉を着々と積み上げる。
    新値を付け二番天を構成、この時上げ止まりや上げ悶えの症状観測される2~3日前に総踏み、大出来、新たな材料出現した折は、この時こそ千載一遇の売りの急所となる。

  • 4日 買い八分の利、売り二分の利と申すこと

    相場は一見、売方有利の様に見えるが、時に応じて買い方八分の優勢の時もある。
    相場を決めつけず、値位置と情勢により、売り方、買い方のいずれかが有利であるかを考えるべきである。

    一つ
    相場初期の上昇期の値幅は小さく徐々に上げ、底練りも含め気の遠くなる様な時間がかかり、この相場、果たして買って良い物か、不安に思う事がたびたびある。
    しかし、底練りを完了した相場は必ず持ち上がり、さらに作況不安が伴う折は急上昇に転じる事となる。
    この様な折、相場に逆らって売方にまわってはならない。
    作況如何に関わらず、秋の相場は値幅の大小に関わらず、上がらないと云うことは無い。

    二つ
    売方は天井を打った相場の下げは底値百日、天井三日と云われる様に、まるで一夜にして大きな利益を手中にし、一見非常に有利にみえども、切り返しも大きく、最悪二番天の突入となれば、買い戻す暇もなく損がでてしまう。
    天井直後の売り方、買い方は、通常より一層注意が必要となる。

    格言で学ぶ
    先人の格言(知恵)を丸暗記することが大事なこと

    売り買いを一度にするは無分別、二度に買うべし、二度に売るべし
    野も山も、みな一面に弱気なら、阿呆になりて買いの種蒔け
    万人が万人までも強気なら、阿呆になりて売りの種蒔け

    人の行く裏に道あり花の山
    下手な難平(ナンピン)怪我の元
    もうはまだなり、まだはもうなり

    いつとても売り落城の高峠、恐い所を売るが極意ぞ
    いつとても買い落城の弱峠、恐い所を買うが極意ぞ
    頭としっぽは他人に呉れてやれ  

    若い相場は目をつぶっても買え
    相場の事は相場に聞け
    買い安い相場は下がり、売りやすい相場は上がる

    割安に買いなし、割高に売りなし
    売るから高い、買うから安い
    目先に惚れるな

    行き過ぎも相場
    初押しは買い
    押し目待ちに押し目なし

    閑散に売り無し
    利食い千人力
    買いにくい相場は高い

    閑散に売り無し
    豊作に売り無し
    「しまった」は仕舞え

  • 5日 急ぐ儲けと思う時、心得のこと

    相場を行っていると、人は誰でも急いで儲けたいと思う時がある。
    特に盆・暮れ・正月当の季節の節目の他に、自己の都合により急に資金が必要な時、また、相場を始めて何年、今までの成果、はかばかしくなく、相場を始めて何年目であるからここで一回収支帳尻を合わせたいと考える物である。
    あるいは予定収益に足りず、何とかここで一儲けしたい、この様に欲が先に立ち、結果収益のみを考える時は、欲に目が眩み、相場が見えなくなっている。
    この様に、売買を急ぐ時は、値位置を考えず、日々の高安に迷い苦しみ、結果高値を買い、安値を売る。
    いわば相場を追い掛けて売買する事となり、その都度損を出すこととなる。
    利益は結果として付いて来るものであり、欲を先に立てて売買してはならない。

    一つ(穀物相場)
    新穀相場の折は、各地の作柄データを充分集め、そこに基づく需給により、その年の天井・中段・底の位置をあらかじめ設定し、今まで話してきた三位の伝に照らし合わせ、底値より買い方に付き、途中での押し目に惑わされる事無く、終始一貫強気を貫くべきである。

    二つ
    仕掛けはもちろん大事である、そしてその仕掛けを行うために底練りの期間何ヶ月も見合わせ、注意深く観察し、底値を見極める事が仕掛けで一番大切な事である。 

    三つ
    建玉当たっている時でも、その見切り時期、決済の時期、あらかじめ本年度の需給に基づき、天井位を設定。
    人皆熱狂して買い上がりの大騒ぎとなる。
    出来高急増し、踏みは続出する。
    需給以上の値段となり、現物を無視した思惑の相場となる。
    その折、極秘に自己の建玉を全て手仕舞いする事である。
    相場はその後も乱高下する事となろうが、ひと相場の終了、決して手をだす事無く休む事が肝要である。

  • 6日 不利運の節、心得のこと

    相場見込み違いの折は、やたらに建玉を増やし、売り上がりのナンピンをかけたり、買い下がりのナンピンをかけ、手持ち資金を使い切り、必然身動きがとれなくなる。
    決して不用意なナンピンを行いむやみに建玉を増やしてはならない。

    一つ
    相場見込み違いの折は、素早く手仕舞いし、その上で新たに相場を分析する期間を必ずとること。期間を置くことによって冷静さを取り戻し、次の戦機に臨むにあたり、必ず一呼吸おいて休むこと肝要。

    二つ
    見込み通りの相場とて同じ事、いったん手仕舞いし、収益を得た後はすぐに仕掛けるのでは無く、相場の波動を考え、応分のインターバルを取り、三位の伝に照らし合わせ、次の急所を冷静に分析した上、再度仕掛けることである。

    三つ
    いかに大利を得ても、この休むことを忘れ、次々に相場を仕掛ければ、いずれ相場は大曲りとなり、今までの大利を吐き出す事となる。
    建玉を手仕舞い、休むことは、何も考えずただ休むと云うのではなく、目先の相場の強弱を離れるも、日々相場の高下を油断無く観察し、次の仕掛け場を冷静に分析する事にある

  • 7日 持合いの時、慰みに商仕掛けまじこと

    相場は長期にもみ合い、本腰を入れる気は無く、ほんの慰みについうっかりと相場を仕掛ける事がある。
    極めて宜しからず、慎むべきなり。
    当初から目的を持ち、目標を定め、入念なる計画の元にスタートした建ち玉ではなく、手慰みのつもりで軽く仕掛けたつもりが、往々にして相場が逆に出で、思わぬ大損を被る事となる。

    一つ
    手慰みの売り建ち玉、もみ合いを放れいよいよ上昇するも、すでに引かれはじめた売り玉の愛着を持ち、すかさず決済して買いに回る鉄則を忘れ、初期建玉に愛着を残し、どうせ大した事はあるまいと次々に売り重ねる事となる。
    相場は徐々に本格上昇、この期に売り込む故、自然に建玉、投資資金は嵩み、すでに投資枠の殆どを使い切り、売り返しも買い返しもならず、にっちもさっちも身動きがとれなくなる。
    事ここに至り、すでに相場は致命傷。
    当初付け足しのつもりで出した、いわば手慰みの建玉、戦略・戦法を持たずしてうっかり仕掛けると致命傷になる典型、心すべきである。
    ゆえに持ち合い中の、波動逆行の玉は手早く仕切り、もみ合い放れに付くを鉄則とする。

    二つ
    この様に、いかに小玉を仕掛けるとも、手慰みや安易に決して建玉をするものではない。
    もみ合いの時とて、とくと相場の通い、運びを見定め、戦略・戦術を定め、決して小玉といえど侮って建玉をしてはならない。

  • 8日 灯火消えんとして、光増す心のこと

    目先天井値段近くで買い玉をもっている時、出来高わずかでも急騰する事がある。
    すでに買い玉をもっている人でも、この高値を見て少し後悔すると同時に残念に思い、押し目で買い増ししようと思っている内に、押し目待ちに押し目無し、一気の上伸にて売り方の追証、踏みも出て、文字通り上げ詰めた(上げきった)人気相場をさらに買い重ねる事がある。
    はなはだ宜しからず、決して行ってはならない。
    買いの平均値を一気に引き上げ、致命傷に至る事必然。

    一つ
    この様な買い切った相場をさらに買い玉入れても、その建ち玉は利益を取る事は決して無い。

    二つ
    天井近辺で買い入れる時は、一度押しがあれば、さらに買い玉を建てて見ようと思う矢先、好材料が出てついつい引き込まれ、再度の高値を買ってしまうものであるが、二度目の高値を決して買ってはならない。

    三つ
    この上げはすでに上り詰め、この上いかほど高値あろうとも、その高値の幅値は、ほんのわずかにて知れている。
    この灯火、まさに消えんとする時の光増すの現象にも似て、たとえ明日にでも利益になる可能性があっても、この様な上げ相場の最後の断末魔、決して買ってはならない。
    上げも下げも、最後の一滴まで取ろうとすれば、相場の垢をなめるに等しく、百害あって一利無し。

    四つ
    この所相場も強く、人気も強く、強気の人、市場にあふれ、さらに一段の強気を唱える声が大きくなる。
    こうした所に行き着けば、辺り一面強気にて、相場はすでに大天井。
    少なくとも我一人は天井の認識を持つ事が肝要になる。

  • 9日 二、三ヶ月必至と引き上げる時のこと

    市場は熱狂、2~3ヶ月も上昇に次ぐ上昇、抵抗ライン次々突破、上値へと躍り出る。
    時に利食い集中し、急落する事がある。
    これこそが千載一遇の買いの急所。
    市場の売り方の殆どは、すでに両建にて辛うじて建ち玉を維持するのみ。
    すわ天井とばかりに両建の買い玉のみを決済。
    甚だしい時は買い玉をドデン売りまでまわす事になる。
    相場は皮肉にも、これを火種としてさらにまたまた上がる事となる。
    再度の上昇に次ぐ上昇、ついには総踏みに至る。
    その折初めて、ひとまず手仕舞い、利食い敢行する事となる。

  • 10日 商い急ぐべからざること

    欲を先にたて、売買を決して急いではならない。
    売買ともに思惑の目算を立て、今日がチャンス、今日より他急所が無い様に思われるが、これは勇み立つ心より先に出るもので、欲を先に立てる思惑ゆえ、けっして相場巧者とは認められず。

    一つ
    売買をする時は、高安の位置を考え、買う場合においては底値圏、売る場合においては天井圏の値位置を確認し、冷静に判断し、ここなら間違いないと云う確かな処にて仕掛けるべきである。

    二つ
    天井、底の方向を考える事無く、目先の利益のみに走り、無理に相場を仕掛ければ、必ず損する事となる。

    二番天井ダメ底売買のこと

    二番天井では天井構成後の急落を再度思惑した買方の図も当たることとなり、その後の本格下落は売方の見込みも当たることとなりまさに両者の思惑がピークに到達するポイントである。

    1つ
    天井圏における相場は、現在買方に圧倒的に有利に展開している折でも、天井から天井「高値より高値」を買い重ねる折は、買玉の平均値を高くするばかりか手持ち資金は底をつき相場のわずかな下落ですらなすすべもなくなる。
    陽極まれば陰となる。
    相場の定石による次なる本格的下落に直面し見るも無惨な買方の大敗となるのである。
    この様にくれぐれも高値から高値、天井から天井への買い重ねは現につつしまなければならない。

    2つ
    天井圏での売方は高値へと玉を這わせ売玉平均値も上がり相場は自ずと有利に展開することとなる。
    すでに再度の天井構成、相場崩壊を待つばかりの二番天!! 先々有利となるは必定。

    3つ
    相場は陰陽の繰り返し上げては下げ、下げては上がるこれ陰陽の不変の道理である。
    すなわち二番天井を買い重ねたり、ダメ底の安値を更に売り込む愚は決して行ってはならない。

  • 11日 底値段を見極めること

    相場の底値ゾーンを見極めて買い玉を建てる時は、その後の少々の下げにも動じる事無く、まして日々の上げ下げにとらわれず、底値ゾーンゆえリスク限定、利幅は無限の確信を持ち、途上の持ち合いに迷う事無く相場の値位置を考え、天井圏まで買い建ち玉のみにて初志貫徹に徹する事こそ、大利への唯一の道である。

    下げ相場にて利運心得のこと

    相場が思惑通り下落し、ある一定の相場の節に到る折は、各人がこぞって利食いに走る、すなわち利食い殺到の場面となるので、人より早く買い戻す事肝要である。
    ただしあくまで利食い上昇であり、本格的上昇とは根本的に異なるものである。
    欲をかかず、出来高急増、踏み殺到の折は、ゆとりを持って自ら利食う事である。
    相場はいつまでも上昇、いつまでも下落はあり得ず、さらに途上における上げ・下げのアヤは、随時入るものであり、またこれらは相場作戦上重要な駆け引き材料となる。

  • 12日 相場二、三ヶ月保合う時心得のこと

    相場は長期底練りもみ合いが続く折は、十人中8~9人まで弱気に傾き、安値をさらに売り叩いてしまう事となる。
    その結果取り組みは完全に安値取り組みとなり、僅かな買い材料にも敏感に反応。
    一気に火がついたように上昇し始める。
    俗に言う「踏みを誘う火柱高!! 」 底値もみ合いを決して侮らず、その折こそ中長期の買いの種を撒かねばならない。
    この様な折は、その後万人唖然とする高値が出るものである。

    一つ
    中段のもみ合いを経て登り詰めた上位、すなわち天井近辺の持ち合いノコギリ相場は、すでにエネルギー出尽くしを意味し、取り組みは高値天井へと移行。
    ハエがとまっても蚊がとまっても、わずかなきっかけにて相場は一気に下落相場へと突入する。
    決して底においても天井においても、ムードや気配・市場の人気で売買してはならない

  • 13日 相場、人、我三ツ揃時のこと

    現実の相場も日々下落が続き、人気も弱い自らの相場感も弱きに傾き、相場・人・我の三つ揃いの弱気となる折、皮肉にも相場は上がる事となる。
    いわゆる万人が万人弱気に転じ、市場は投げに継ぐ投げ、さらには総なげ底打ち、一気の上伸となる。心すべきである。

    一つ
    反対に人々の人気が非常に強く、相場も踏みを交えて急伸。
    ついに自らも強いと判断せざるを得ぬ折、相場はすでに総踏み状態。
    出来高急増にて売方壊滅。
    残るは買方の利食いにて、下落し始め利食い集中にて、一気の暴落となる。
    満を持していた新たな売方の登場となる。

    二つ
    天井圏の相場を買い上がる事無く、来るべく下げ相場に備え常に売りのタイミングを模索せねばならない。

    三つ
    底値圏の相場、さらに一段安となろうとも、決して売り叩きを行うのでは無く、下がれば下がるほど買いのタイミングを考える事が最も大事な事である。
    これ宗久の基本的相場戦略、相場は常に値位置を考え、なにか事あらん時に買玉・売玉果敢にしかけるべし。
    なお、この項の相場格言は、万人が万人弱気なら‥‥‥ 野も山も、皆一面の弱気なら‥‥ に代表される。

  • 14日 底値段買い重ねのこと

    相場は底値100日と言われる様に、底値もみ合いが長いものである。
    充分もみ合い、練りに練り、そこからいよいよ上げ始める相場は、1~2週間では天井打たず。
    練りに練った底打ち完了の相場、2~3ヶ月立たねば天井打ちとはならず、故にその間発生する押し目は一つ一つ丁寧に買い重ねて行き、値幅と収益の効率を目指さねばならない。
    途上の押しでドデン売り、途上の買いでドデン買いを重ねれば、途上思わぬ損失も出現し、当初の目的を達し得ず、この様な相場は天井出現の折まで押しは常に買い重ねて行かねばならない。
    資金の配分に留意するのはもちろんの事、これらの買いは決して猪突猛進の買いでは無い。

  • 15日 強気買相場、引き上げの節心得のこと

    強気の買いは、相場が節ごとに引き上がる時はさらに強気となり、上値づかえや調整安の考え微塵も無く、さらに買い増し、高値で買い重ねる事となる。
    この様な建玉方法は、厳に慎むべきである。
    この様に相場、節ごと引き上がり、目先天井間近の折の対処は、出来高急増、踏み玉後を絶たず、目先、相場が伸びきった所で半分利食うと共に、相場の強弱、再度冷静に分析する事肝要。
    相場の天井はどこで大天井をつけるかは、誰にも解らない事ゆえ、全て利食事も一考を要す。
    売り付け下げ相場にても全く同じ事が言える。
    人々が投げ先行に到った折、売り玉半分手仕舞い。
    その後相場を冷静に分析し、さらなる大底を探る事となる。

  • 16日 新穀相場は、売方無用のこと

    天候相場における新穀相場は、当初いかに良作にても、けっして売方にまわってはならない。
    まして天候相場序盤戦には、今後天候異変がついてまわり、長雨、干ばつ、酷暑、早冷、早霜、台風と、都度相場は持ち直す事になり、青田褒めに付和雷同して安値をさらに売り込む愚は避けるべきである。

    一つ
    当初自分が描いていた相場の波動になり得ぬ時は、再度相場の検討を要す。
    よって冷却期間を置き、一時撤退、休むべし。
    休むも相場の格言は、この項よりいでる可能性大。
    転じて売るべし、買うべし、休むべしの格言にいたる。

    二つ
    夏に到り、高値安値の持ち合いにて、高値より始まる相場は売りも良いが、作況未だ決せず内、大きく売り思惑をしてはならない。
    現代では売り、買いの急所は、豊凶分離決定後の高値安値にあるといえる。

  • 16日 相場の値位置を考慮し、売買すべき 

    毎日の相場に気を付け申すべきこと相場は日々分析を重ね、さらに相場の値位置を考慮し、売買すべきである。
    この相場、上げなのか、もみ合いなのか、はたまた下げかの見極めを行い、波動の動向を日々注意しなければならない。
    見方一つで、黒白180度の違いがあり、わずか1毛にて大きな波動分岐となる。
    充分注意すべきである。

  • 17日 格言で学ぶ

    相場の天井はどこで大天井をつけるかは、誰にも解らない事ゆえ、先人の格言も一考を要す。
    相場の世界とは、「石が浮かんで木の葉が沈む世界」であるので「常識は害」となることは云える。

    相場は踏み出し大事なり
    売り買いを一度にするは無分別、二度に買うべし、二度に売るべし
    腹八分に医者いらず

    知ったらしまい
    売るべし、買うべし、休むべし
    野も山も、みな一面に弱気なら、阿呆になりて買いの種蒔け

    万人が万人までも強気なら、阿呆になりて売りの種蒔け
    人の行く裏に道あり花の山
    下手な難平(ナンピン)怪我の元

    仕掛けは慎重、手仕舞い素早く
    いつとても売り落城の高峠、恐い所を売るが極意ぞ
    いつとても買い落城の弱峠、恐い所を買うが極意ぞ

    天井売らず、底買わず
    相場の金と凧の糸は出し切るな
    もうはまだなり、まだはもうなり

    頭としっぽは他人に呉れてやれ
    若い相場は目をつぶっても買え
    相場の事は相場に聞け

    仕掛けは処女の如く、手仕舞いは脱兎の如く
    相場と幽霊は寂しい方に出る
    当たり屋につけ、曲がり屋に向かえ

  • 18日 一日の相場を考え、商い致すは宜しからざること

    目先張りは思惑違えばそのまま因果玉となり、利益乗った折も、その利幅は極めて小さく知れている事となる。
    日計り商い奨励の昨今であるが、一昔前まで日計りは手数料稼ぎと見なされ、戒められていた市場である。
    時代の変遷とスピードにより、転換もやむを得ぬと思うが、相場の本質は古今東西変わる事無く、日計りは百害あって一利無し。
    厳に戒めるべきである。

    相場は中勢、大勢をしっかりと見極め、上げならば上げ、下げなら下げの方針を明確にし、あらかじめの目標値を設定すると同時に、ここぞ急所のその節から、買いに付く時はいかなる狂い高に関わらず信念を持って踏み出すものである。
    最近の日計りの最悪のパターンは、商社情報、または仕手情報をむやみに追い掛け、午前中某商社の買いに乗ったつもりで自らもすでに高値にて買い付き、昼より同商社の利食いにより相場一転急落。
    情報掴めぬまま商社買いなのになぜ下がるか、とまどっているあいだの追証。
    つとに散見されるケースである。
    買いに対する信念無く、目標値無く、ただ単に仕手・商社にチョウチン付けるは大敗の元。

    一つ
    思惑通り相場上昇する折は、買玉スタート時の予定設定値幅まで取りきる事肝要なり。

    二つ
    安い所にての買い、高い所にて売りを心掛けるも、日計りでは収益はしれている。
    これより上昇と見込む折は、片玉にて相場の充分伸びきりを待つべきである。

    三つ
    仮に見込み違いの折は、即座に決済しいったん休み、充分相場の動きを観察、再検討し、出直さなくてはならない。

    四つ
    相場の伸びきりを待って利食いを行う事は可とすれども、いかに相場がその折弱く見えども、ドデン売方に回る事は厳に慎まなければならない。
    買い相場利食い完了の折は、一度休むべし。大天井打った後のただちの売玉も、同じ心得を持たねばならない。
    天井確認後のインターバルの期間が必要である。

  • 19日 下げ相場は、上げ相場と大違いのこと

    ひとたび大天井を極めた相場は下落に転じ、その後五ヶ月も六ヶ月も下げ続けるものなり。
    この点上げ相場とは全く異なる波動である。

    一つ
    下げ相場の特徴は、戻りは小さく、下げ幅は大きい。たとえば月初めに上がった相場も、月末には上げ幅の倍以上、下がるものである。

    二つ
    月初めより四~五日間じりじり下げる相場は、天井のノコギリの内の超目先の買いであるが、中勢・大勢はすでに下げ相場決定ゆえ、目先に走って決して買ってはならない。
    その月の内、上げ幅の倍の下げが有ることをキモに銘じておくべし。
    ひとたび天井を打った相場、二~三ヶ月ではとうてい底値に至らず、五~六ヶ月の月日
    を要すものなり。
    途上、買いの手いっさい無用!大底まで売り片玉で望むべし。

  • 20日 上げの内の下げ相場のこと

    底値でもみに揉み、五ヶ月も六ヶ月も大底をもむ事あり、人々皆飽き飽きしている折、相場が最初は小さくあげ、さらに日増しに勢いを増し上伸。
    思う間無く、またその値位置にてもみ合う。
    故に買方は再度の長期もみ合いを予想し、売方は大底値より持ち上がっている値位置より、新たな売玉をますます出す事となる。
    この様な相場、売ってはならない。
    売方は上げ歩調ととらえ、素早く買い戻すべし。
    大底もみ合いより起きあがる相場の典型にて、上昇相場の内の一時的な下げ、そこより起きあがる相場は、ひとえに押し目買いに専念すべき。

  • 21日 買入れ利乗った時の心得

    底を見極めて買付け、予定通り上昇。応分の利益が付き始める頃、相場は持ち合い、または逆に少々値段が下がってくる事がある。

    一つ
    当然一時期、利益ははげ落ち、先日の高値で利食っておけば良かったと後悔する気持ちになりがちであるが、これら心情は相場において大変な心得違いである。
    底を見極め、買い建ち玉を行った相場、天井を付けるまで決して手放してはならない。
    底値を売った売玉が、総踏みに到るまで、押し目は随時買い増しを計らねばならない。

  • 21日 売方掛引六つか敷こと

    およそ相場とは一年の内本格上昇相場は一度、また、本格下落相場も通常一度のみ。 そのほかにおける大きな高下は通常無い。 相場である以上、上げ相場においても少々の下げ、また、下げ相場においても幾分の上昇はある。 これは通い相場にて天井または底と見るべき相場では無い。 あくまで通い相場の高下であるゆえ、中勢・大勢は変わらず。 迷う必要はさらさら無い。

    一つ
    前に述べた様に、相場はすべからず踏み出しが大事である。

    二つ
    踏み出しは心千々に乱れ、決断に到るまで思い悩むものであるけれども、踏み出しさえしっかりした急所より仕掛けた玉は、少しも苦にならないものである。

    三つ
    売方は時に有利な様に見えども、実は実戦においては難しいものである。
    下げ始めるとどこまで下がるか解らぬような急激な下げになることがしばしばあるが、その後多少の買い材料いで、利食い戻しにて急反発し、人々が驚き、たじろぐ様な上げになる時がある。
    この時こそ千載一遇のチャンス。
    人々の騒ぎに一切乗らず、また慌てる事なく冷静に伸びきった所を売ることこそ三位伝の真価、心得なり。

  • 22日 格言で学ぶ

    相場の天井はどこで大天井をつけるかは、誰にも解らない事ゆえ、先人の格言も一考を要す。

    三月跨りの六十日。小回り三月、下げ三日
    買い安い相場は下がり、売りやすい相場は上がる
    割安に買いなし、割高に売りなし

    需給はあらゆる材料に優先する
    利食い腰は強く、引かれ腰は弱く
    利があれば、どこからか来る金の蛇、我も人もと買いの行列

    長もちあいは放れの前触れ、大もちあいは大相場
    仕掛けはたやすく手仕舞いは難し
    日計り商いやるべからず

    ついた値が相場
    売るから高い、買うから安い
    戻り待ちに戻りなし

    相場は豹変する
    待つは仁
    目先に惚れるな

    勝つ事のみを知りて負くる事を知らざれば、害その身に到る
    僥倖を夢みるな
    天井三日、底百日

    人気七分に材料三分
    休むも相場
    月の八日に買目無し

  • 23日 弱気不利運、心得違いのこと

    この相場、弱いとみて売方に付いたものの、見込み違いにて少々不利運になることがある。
    その折売り難平をかけ、平均値を切り上げようと高値高値に売り難平を仕込み、ついには資金枠限度を超える事となり、一方相場は安値より徐々に上昇、資金切れに到る折はちょうど相場の上昇に拍車がかかり始め、ついには総踏みを余儀なくされる事となる。
    はなはだ心得違いである。
    相場がすでに弱材料を折り込み、上昇波動に入っているにも関わらず、当初の思惑に固執し、相場に逆らうは決してよろしからず。
    厳に慎むべきである。
    買方につく時も、また同じ事である。
    思惑違いは早めに手仕舞うか、しかるべき手だてを講じてその成り行きを見なければならない。
    往々にしてこの様な折は、弱材料野も山も一面に広がり、人気は総弱気。
    しかるに相場はいくら売っても下げざるどころかじりじりと上昇、一点を超すと総踏み火柱高へと発展する。
    決して波動に逆らってはならない。

  • 23日 買相場、利運取留る心得

    買い相場にて相場思惑通り多少は的中するも、わずかな利益にて売却してしまう事がよくある。
    これは売買の急所、相場の本道を知らざる故の為にて、はなはだよろしからず。
    買玉利運の時は、出来高急増、総踏み場面を待って利食いすべきである。
    腹八分をもって良しとするは、相場の常道ではあるが、総踏み強要の相場に到った折は、充分引きつけ、利食いのタイミングを計るべきである。

  • 24日 格言で学ぶ

    相場の天井はどこで大天井をつけるかは、誰にも解らない事ゆえ、先人の格言も一考を要す。

    噂で買って事実で売れ
    三割高下に向かえ
    早耳の耳倒れ

    山高ければ谷深し
    引かれ玉は投げよ
    「しまった」は仕舞え

    見切り千両
    人気は必ず衰える。木は天まで届かず
    半値、八掛け、二割引

    行き過ぎも相場
    初押しは買い
    戻り待ちに戻りなし

    押し目待ちに押し目なし
    閑散に売り無し
    売り買いは三日待つべし

    陰極まれば陽転ず
    夜明け前が一番暗い
    もちあい放れに付け

    売りは迅速、買い悠然
    利食い千人力
    新値の初押し

    理外の理にも理がある
    初押しは買い、初戻しは売り
    陽極まれば陰転ず

    買いにくい相場は高い
    閑散に売り無し
    豊作に売り無し

  • 25日 人も我も同じ考えの時、海中え飛び入る心得のこと

    相場が下げ始め、さらに悪材料出現。人気も弱く、どこまで下がるものやらと、弱気となる。
    この折、気を転じ、買玉を仕掛ける事である。
    (この決断は、寒中にて海中へ飛び込む思い、または清水の舞台から飛び降りる決断にもにて)非常に難しいものであるが、その疑い・迷いを振り切り、果敢に買玉を仕込むべし。
    これらの玉は結果としてきわめて大きな利益が生ずるものである。
    すなわち人も我も、万人みな弱気の折、一段安の出来高急増、投げ殺到、どこまで下がるか皆目見当もつかず、人みな恐怖におののく時、下げ相場の終焉を意味し、その折こそ一相場の終焉であり、果敢に買玉を仕込むべしと、宗久翁は述べている。
    ただし、無謀に満玉を張る事無く、資金配分には充分気を付けるべきである。

    一つ
    思惑通りに相場が下がるものであれば、安心して見ていられるものの、すでに人気は片寄り、反騰の芽は醸造され、弱人気片寄れば片寄るほど、相場は皮肉にも上昇に転じる。人智の及ばざる所である。ゆえに海中に飛び込む決断こそ、我が極意なり。

  • 26日 保合時の売買秘伝のこと

    相場が長らく持ち合い、その途上持ち合い下限りに近づくと、売方は思惑通り事は進むと考え、もみ合い下限りをますます売り込む事となり、一方買方も、心許なく、早めの決済をする事となる。
    相場は売方の売り重ねでさらに一段安となる。

    一つ
    しかし、この時こそ買玉仕込みの千載一遇のチャンスなり。
    この買玉、極めて有効となる。
    買いづらき所を買う事こそ、買い仕込み玉の心得なり。

    二つ
    このもみ合い通い相場は、新高値・新安値にて仕込みに徹する事こそ、もみ合い時の我が売買秘伝であり、この折の利幅はもみ合いが長ければ長いほど、極めて大きくなるのが通例である。

  • 27日 三位の伝を以て上下考のこと

    この秘伝、三位の伝を以て、相場の上げ下げを見極めると共に、下げるならばいくらまでの下げ、上げるならいくらまでの上昇、そして下げ止まる、または上げ止まる値位置をあらかじめ想定せねばならない。
    さらにはもみ合い時まで考慮に入れる事は当然である。
    相場のその折の状況において、各地の作況を考慮し、人気がどちらに傾いているか丹念に調べ、買いより入る折は途上の相場の高安に関わらず、自己の信念を貫き、しっかりと買玉の布石を急所に建ち玉する事である。
    思惑的中の折も、当初の目標値到達は、迷わず利食うべきである。

    一つ
    安い所を買い、高い所を売ると云う一般的な建玉概念はこの折に限り捨て、ひとたびこの相場上昇とみれば、値位置の安い間にしっかりと買玉を仕込むべきで、日々の高安にとらわれた建玉をしてはならない。

    二つ
    ひとたび上昇と見込んだ折は、投資資金枠充分考慮し、その上で片買いを第一と心掛ける事である。

    三つ
    万一見込み違う折や、不時の材料出現の折は、即座に決済。再度相場の動向を観察した上で、新たな仕掛け場を探らねばならない。

    大勢・中勢、上げ波動不変であるが、相場目先非常に弱く、応分の急落もやむを得ぬ折、心ならずも売り越すは、はなはだ宜しからず。ここは上げる為にも一度深押し必要と百も承知の折でも、決して売ってはならない。

  • 28日 相場高下少なく十人が十人退屈の事

    相場2~3ヶ月もさしたる高下なく、長期もみ合い中の折は、人みな退屈し、強気の人も、ともすると弱気に傾きがち、かたや売方においては思惑通りに相場は展開すると予想、ますます売り込み、さらにはもみ合い時の下限りを大量に売り込む事となる。
    この様な折は、相場は皮肉にもあまり下げず、逆に強く上伸に転じるものである。

    一つ
    相場が上昇し始め、もみ合い上限りを突破。相場は上放れ決定と弱気・強気も一丸となって売玉の手仕舞い買い、さらにはドデン買い建ちに到り、市場は一瞬にして買玉一色、上放れ急浮上の源となる。

    二つ
    万人みな片寄る折は、必ずその裏目が出るものである。思惑通りに相場が動くものならば、こんなたやすいものは無いのだが、現実はその様にはならず、当初の予測を裏切られる事となり、まさに人智の及ばざる所である。
    陰極まれば陽となり、自然の摂理ではあるが、万人みな弱気なら、火中の栗を拾うべく我一人は強気を貫き通すべき。
    ゆえに「野も山もみな一面の弱気なら、あほになりて買いの種蒔け」の格言。

  • 29日 大高下過ぎ、通い相場のこと

    天井圏の大幅な上下ノコギリもすでに過ぎ、天井確認の後、その後大きく下落。
    相場は小康状態に入り、小幅もみ合いへと移行し、再度の上伸か、もみ合い下放れと迷う折、相場は材料も無く、目先少々強含み、市場も活気づいて来ると人々再び買い気となり、売方は利食いの買い戻しを急ぎ、強気ナンピン筋はここぞと買玉を這わす。
    市場は騒然、一気の上昇となる。
    しかし、すでに天井を打った相場、高値はやれやれの売りが大量に待ちかまえる。
    市場は沸き立ち、相場棒上げの折、この時こそ千載一遇の売りの急所と宗久翁は説いている。

    一つ
    保合相場は上げては下げ、下げては上げる。何度も上下を繰り返すものなり。

    二つ
    市場強人気、もみ合い上伸相場に決して心を動かさず、天井はすでに確認決定。
    ゆえに目先値段の上下に決して惑わされてはならない。
    ひとたび天井を打った相場は、大底に到るまで片玉売り勝負する事こそ肝要、このことが第一の大前提なり。

    三つ
    天井を打った相場、その後上下波乱を繰り返しながら、さらに下落。
    ついには大底にいずれ到達するものであるが、天井圏のもみ合い、中段のもみ合いとは異なり、大底における長期もみ合いの後、材料も無く、自然と値段が緩やかに上昇し始める相場は、決して売ってはならない。
    下値確認・大底確認、この折こそ買い重ねる待望の好機。緩やかに上昇といえど、これはもみ合い相場にあらず。
    この後本格的に上昇相場へと移行してゆく重要なる節目なり。

  • 30日 買気をはさみ売方心得違いのこと

    この相場、中勢・大勢は間違いなく上がると確信しているにも関わらず、途上の高値にて目先の修正安まで取りきろうと考え、当初の意図に反し売玉を入れる事は、心得違いも甚だしく、大変な間違いである。
    決して目先に惑わされる事無く初心貫徹、買玉を維持する事であり、途上の押し目は絶好の買いと捉えるべきであり、買玉不変を貫徹せねば大利を得る事能わず。
    ゆえにこの相場、いずれさらに上昇は間違い無い所であるが、目先は当分弱く、少々売玉を這わせ、利になれば買い戻せば良しと売る目先売りは、はなはだ心得違いである。

    一つ
    人気弱く、悪材料も出で、目先必ず下げるであろうと思う頃より、相場は裏目、上伸に転じるものである。

    二つ
    大勢に逆らい、目先下げると思惑し、ひとたび売玉を這わすと実際に上伸し始めても買いそびれ、一日二日と過ぎて行くなか、相場はさらに上伸し、心ならずもさらにナンピン売りを仕掛ける事となり、この折当初の買方方針より、心ならずも売玉増大、ついにはまわって売方になってしまう。心すべきである。

    三つ
    思惑通り目先少々下げてくると、この相場さらにもう少し下げると判断し、新たな売玉を入れ、その売玉すら利食いとなるは、ますます相場弱く見え、結局千載一遇の買いチャンスを逃すだけでなく、買玉を建てるチャンスを永久に失する事となる。

    四つ
    上げ相場と見定めた折は、ただ一重に買い場を待ち、押し目へ買玉を這わし、相場のアヤに決して惑わされてはならない。
    ひとたび買い相場とみれば、けっして買い気を挟んで売方に回る事は、相場戦略上決して行ってはならない不動の原則である。

  • 31日 霜月限買入、秘伝のこと (穀物相場)

    11月限り、この新穀相場は6月の天候順調と見込まれると、相場は段々弱くなり、ちょうど7月の半ばまでに底値の値段が出る事となり、その底値を待っていよいよ買い仕込むものなり。
    この仕込み玉、天候相場の底値にて、非常に効率の良い、収益の大きい建玉となる。

    一つ
    丑の日前後の底値出づるときは、天候に関わる最大の山場。
    一つでも買い材料に値すると、たちまち相場は急上昇に転じる事が多い。

    二つ
    この中旬よりの上昇波により、7月末より相場は本格的に上昇する事となり、その折は油断無く、本格上昇の上げスタートと見て、上昇初期にすかさず買い付けるべきである。すでに底値を付けた相場、一転上昇波に乗るこの買い建ち玉は、不利運と云うこと無く、必ず利の乗るものである。

    つぎに夏中に天井を付けた相場が急落する時は、充分に気を付けねばならない。
    土用の日照悪く、作況の不出来が言われ始めると、急落した後の相場であっても、再度二番天、行き過ぎ天井を作る事がある。
    故に天井のちの急落は、目先、ひとたび二番天へ向けての再度の上昇波は、踏みを交えて必至の急上昇。
    その上昇ははなはだ厳しいものとなる。
    迷わず二番天上昇波の初期にて、再度買い入れにはいるべきである。 この様に当初豊作型、底入れにての上昇波、目先天井構成すれど、土用の照り込み、及び日照注意。
    土用前後に天候トラブルあれば、再度上昇。二番天は大きな上昇波となる。

    一つ
    相場は7月に入り、作況順調にて青田褒め。
    豊作を先取り丑の日近辺に全ての弱材料折り込み、底値出たる時は、ここぞ千載一遇の買い玉仕込み時期。脇目も振らず、ただ一筋に買い入れるべきなり。

    二つ
    5月、6月時点より作況が悪く、すでに6月の半ばにて安値より3割4割の急上昇している折は、決してあわてて買ってはならない。
    この様な折は、7月、8月の間に大天井を形成する事が多く、または11月くらいまで高原相場を持続するかは、その時点では計り難きものにて、その後の経過を十二分に注意する事肝要。

    三つ
    天候相場も佳境に入り、その年の六月七月に日照り少なく、日照時間が明らかに足りず、蓄積気温も明らかに足りず、さらに長雨により虫付く時は、ほぼ不作決定。
    その折価格はすでに三割高を越え、四割に至っていても、その高値、さらに買うべし。
    相場は新高値に踊りいで、青天井の相場となる。

    四つ
    七月に入り、七月中旬より以前に買いさえすれば、すでに高値を付けている相場でも利益が乗ると決して思ってはならない。
    相場の値位置を良く見極め、すでに高値に到達している折は、たとえ七月初旬の買い玉でも損する事は充分にあり得る。
    時期より三位に照らし合わせ、よくよく考慮すべき。

    上記一、二は、天候相場序盤戦から中盤に到るまでの底値天井の対応の仕方を、的確に表現したものにて、豊作年、凶作年の対応は現在でも脈々と受け継がれ、天候相場に対する建玉の定石・セオリーを通り越し、今やバイブルとなっている。

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