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応用課程 商品と株式の個別銘柄

東京原油の価格変動要因

1.OPEC会議の成り行き

OPEC定例会議における生産調整の動向は一つの大きな鍵となる。

2.OPEC諸国の生産の実態

OPEC会議において生産調整枠が決められるが、必ずしもそれが守られるわけではなく、一つの生産の指針となっているに過ぎない。
OPEC諸国は、石油の収入に依存する国が多いため、増産には積極的であるが、減産には下方硬直性がある。
決められた生産枠とは別に、実際に生産されている各国の生産動向も、ニュースとして流れる。生産調整枠より実際の生産が多ければ、価格は下降傾向になる。

3.海外相場

NYMEXの原油価格は大きな目安となる。
ただし、米国の価格が上がったからといって、東京工業品取引所の原油価格が必ず上がるものでもない。

東京の値位置、需給関係、為替の動きなどに影響されて東工取の原油価格は決まってくる。ただ、原則としては、ドル建ての原油価格がどうなるかを、まず最初に予想すべきであろう。その後、ドル建ての原油価格の動向を踏まえて、日本の原油価格はどうなるのかを改めて考える。

米国NYMEXの他にロンドンのIPE(国際石油取引所)の先物価格は影響力がある。
しかし、時差からしてロンドンの価格は米国に反映され、それが東京の東工取価格に回って、次にシンガポール国際金融取引所(SIMEX)に手渡され、再度ロンドンにバトンタッチされる周回となっている。
そのためロンドンの価格が直接、東京の価格に影響するわけではない。

4.米国の原油在庫

米国の原油価格は、米国石油協会(API)あるいは、米エネルギー省(EIA)発表の週間原油在庫(毎週木曜日発表)の動きに影響を受ける。
これは、穀物の在庫動向と同様に、発表された数値のインパクトもあるが、事前に民間団体が予想しており、その予想との乖離の程度の方がより大きな影響を価格に与える。

5.対日現物オッファー価格

ドバイ・オマーン原油価格は現物原油の対日オッファー価格である。この日本時間の日中の動きは東工取の原油価格に影響を与える。

1.OPEC会議の成り行き

日本の原油在庫は経済産業省が毎月発表している。
在庫時期と発表までの間にタイムラグがあるので、価格にそのまま反映されることは少ない。
統計データが石油連盟の方が分かりやすい。
世界の原油統計は国際エネルギー機関(IEA)が発表しているが、原油価格は貴金属より日常的であるので、これらの統計発表が価格を動かすことは少ない。
ただし、米国の在庫統計は毎週発表されるので、この動向は石油価格に大きな影響がある。

7.経済動向

原油は経済の重要な基礎資材である。発電や原動力として、また石油化学製品の原料としても用途は広い。それだけに原油価格は一般経済動向に左右される傾向がある。

8.中東情勢

戦争、特に中東における動乱は、供給不安につながり、原油の値上がりを導く。しかし、湾岸戦争でもイラク侵攻においても、戦争が起こるか起こらないか不透明な状況下において値上がりし、いざ戦争が始まると、戦後を見込んで下落する傾向にあった。
また、戦争が終わっても、戦後の不安要因を抱えて、高止まりしたままなかなか下がらないこともある。

9.代替エネルギー開発状況

風力発電とか電気自動車等、石油に代替するエネルギーが実際に開発されるまで、原油はその地位を独占するだろう。
これらの新エネルギーの蓋然性が高まれば、それらのニュースに敏感に影響を受けるだろうが、未来の話であろう。

10.為替相場

日中の為替の動きは東工取の石油価格に影響を与える。

11.中国の工業化

中国は今や日本を抜いて世界第二位の原油消費国となった。
中国の工業化は今後ますます多くの原油を必要とするだろう。
このことだけでも、原油価格は上昇基調にあると言える。

東京ガソリン・灯油の価格変動要因

1.原油価格の動向

ガソリンは原油から精製されるので、当然、原料の原油価格の動向に左右される。ただし、市場の内部要因のために、原油高のガソリン安等の動きもある。これがあまり極端に乖離しているときは、適正水準にいずれは戻ると想定した売買を行うチャンスとなるだろう。

2.国内石油製品需給

国内におけるガソリンや灯油の在庫状況と需給の見通しが影響する。

3.元売り会社の動向

ときに元売り会社は、価格をコントロールしようと自ら買い出勤することがある。これを読んで売り向かう仕手筋の資金力がどこまで保つか等の見通しが必要となってくる。

4.天候

ガソリンは行楽シーズンや夏場に使用量が増える。夏場あるいは夏の限月のものがその時期の天候予想の影響を受ける。灯油の場合は、冬場である。

5.為替

海外から直接輸入しているガソリンの量は多くない。しかし、それでも円高ならガソリン価格は安めになる。

6.需給データ

日本石油連盟が需給バランスを発表している。

東京原油の特徴

原油は、油井から汲み出されたままの石油のことである。
中東は、世界の確認埋蔵量の約3分の2を占め、生産量の3分の1を占めている。
OPEC諸国とは、サウジアラビア・イラク・アラブ首長国連邦・クウェート・イラン・リビア・ベネズエラ・ナイジェリア・アルジェリア・カタール・インドネシアである。
非OPEC諸国には、イギリス・ノルウェー・中国・アメリカ・メキシコ・ロシア等がある。
OPECは定期的に会合を開き、各国の生産量の上限を決めている。また、毎日OPECのバスケット価格を発表している。
これはサハランブレンド(アルジェリア)
・ミナス(インドネシア)
・ボニーライト(ナイジェリア)
・アラブライト(サウジアラビア)
・ドバイ(アラブ首長国連邦)
・ティアファナライト(ベネズエラ)
・イストマス(メキシコ)
のそれぞれの原油価格を加重平均したものである。

これは生産者価格であるが、NYMEXやロンドンの国際石油取引所(IPA)、東京工業品取引所の原油価格等の影響を互いに受けている。
原油を精製してガソリン・灯油・軽油・重油・潤滑油・液化石油ガス・ナフサ・アスファルト・パラフィン等ができる。
これらは連産品と呼ばれ、例えばガソリンだけを増産することはできない仕組みとなっている。
われるが、 建て玉が苦しい時に、なんとかならんかと線を見るのではなく、相場は今、どのような気持ちであるか、医者が患者の胸に聴診器をあてるような気持ちで冷静な立場に立って線に問えば、必ず応えてくれるものである。

東京ガソリン・灯油の特徴

ガソリンの需要期は夏場である。また、大型連休などはガソリン消費量が上がる。一方、灯油の需要期は冬場である。灯油の夏冬の需給格差は3倍あると言われる。
気温が低いと灯油需要は増える。

ところで、先物価格の難しいところは、ガソリンや灯油の場合、6ヶ月先の受け渡し限月の取引を行うことだ。
従って、夏に冬物の商戦を行うようなものであり、冬になってから冬に使う灯油の価格を決めるのではない。冬になったら逆に夏物を商う。

そうはいっても、冬場に寒いと先物価格は上がる傾向にある。
貴金属の先物は一年後の同時期の限月が最期先であるのに対し、石油関連商品は6ケ月後の相場を商うのでこの問題が生じる。
さて、今年は暖冬になると思えば冬場の限月の灯油を売り建て、寒くなると思えば買い建てればよい。いずれも夏の間に予想することになる。

需給的に言えば、例えば原子力発電所が地元の反対で使えなくなったとしよう。猛暑のためエアコンが稼働して必要電力量が上がる。
これを補うため火力発電所の操業度が高まるとする。
その場合、需要が増えるのは石油から精製される重油であるが、重油をたくさん作ろうとすればガソリンや灯油もできてしまう。

従って、ガソリンや灯油の需給は緩むはずだと想像できる。だから重油は買いであっても、同じ石油のガソリンは売りとなることがある。

夏場の電力需要を予想するのも、夏ではなく、冬の初めか春である。その頃の原油(重油)価格に反映される。
実際に電力会社が夏場に必要とする重油を調達するのは春先である。
ガソリンや灯油の価格は読みにくい。
海外の原油価格、為替の影響、日本の需要と供給等、それなりに価格に影響を与えるのは事実だが、ガソリンと灯油価格はそれほど単純ではない。

近年、これらの商品を先物市場で商う一般投資家の数が飛躍的に増え、その大きな部分が日計り取引だからである。
彼らは、朝9時から相場が始まると画面を見ながら売買する。最初の価格は前日の海外価格等の影響を受けることが多いが、日中の動きは相場そのものが動かしているとしか言いようがない。

需給要因は既に織り込み済みと考えても良いだろう。日計り取引の場合は、ファンダメンタルよりはテクニカル的な要素の比重が大きくなり、また同時に並行して変動している為替の動きや、ドバイ原油の動き、すなわち、原油の対日オッフォー価格の日中の動き、あるいはニューヨークNYMEXの夜間取引の値動きが相互に影響し合うこととなる。

貴金属の日計り取引は、為替と同様に全世界の貴金属ブローカーが毎日行っている。
大手商社をはじめ外国銀行や商品先物取引業者が参加している。
従って、極端な動きをすれば、すぐ商社等のアービトラージによって価格は国際水準に平準化される。
だから、比較的常識に沿って動くことが多い。
ところが、ガソリンと灯油の価格は日本市場固有であり、プロの参加者も日計り中心で、日本の個人投資家のボリュームも多い。だから、時に常識が通用しないような独自の動きをする。これが面白いとも言えるが、怖い相場でもある。

将来、多くの石油会社が参加して、ヘッジ取引の規模が大きくなれば、もう少し安定した動きになると思われる。石油より高度なデリバティブ取引は、商品先物取引所とは違った市場が形成されると思われる。

しかし、だからと言ってそれらの相対市場で、すべてが賄われるとは思えない。こうしたデリバティブ取引でヘッジとは何であるかを身につけたメーカーや問屋が、いずれ商品先物取引市場にも参入してくれば、2つの市場は相乗効果により発展するだろう。

石油製品の知識

原油は一次エネルギーの代表であり、使用比率では40%と群を抜いてその比重が大きい。
ついで石炭25%、天然ガス24%と続く事になる。
地域別原油生産量は、中東32.145%、南米13.97%、北米11.66%、アジア10.97%、アフリカ9.99%、欧州9.58%、残るはその他11.68%の比率は2000年度の統計。

国別では米国10.6%、サウジアラビア10.4%と、二大産油国を形成し、ロシア8.5%、イラン4.8%、メキシコ4.5%ノルウェー4.3%、中国4.2%、以上が4%以上の国別比率における原油生産量の割合である。
これらの上位7ヶ国において、47%以上を占める事となり、これら産油国の動向が直接原油市場に大きな影響をおよぼす事となる。

現在産油国はOPECと非OPECとに別れており、OPECは1960年サウジアラビア・イラン・イラク・クェート・ベネズエラの5ヶ国で結成。
その後リビア・アルジェリア・ナイジェリア・UAE・カタール・エクアドル・インドネシア・ガボンが参加、その後エクアドルとガボンが脱退、現在11ヶ国で形成。

このOPECはメジャーの原油価格引き下げに反発し、産油国各国がこれに対抗する為ための一種の価格カルテルを結成。これが第一次石油ショックである。
一方非OPECは米国・カナダ・英国・ノルウェー・中国・ロシア・ブラジルその他各国と云う比率を構成し、現在OPECと非OPECの一部の国が結びつきを強め、拡大OPECの構成を計る模様であるが、現在はOPEC約40%、非OPEC60%であるが、この拡大OPEC成功すれば、その比率は逆転すると云われている。
しかしながら常に消費と産油の狭間における各国の利害関係が複雑微妙に絡んでおり、正否の動向が注目される所以である。

我が国は殆ど100%を輸入にたよっており、石油ショック後一時減少したものの、現在では輸入の87%を中東産原油に依存しており、中東の政治・経済情勢が我が国原油価格に直接インパクトを受けるのは避けられず、ましてやイスラエル・パレスチナ問題、米国イラクの対立等、世界の難問を抱える文字通りの火薬庫。
他の銘柄と異なり、世界の政治情勢が大きな価格変動の要因となる。

世界の火薬庫と云われる中東地域を中心とするOPEC対非OPECの比率は1980年においては約45%、85年30%、90年37%、95年39%、2000年は40%と、そのシェアは多少増加気味ではあるが、第一次石油ショック後の各国における油田開発等により、その比率は往年とは比較にならぬ。
OPECは10ドル割れの暴落を招いた1998年の経験を元に、2000年4月よりバスケット価格を導入。

正確にはプライス・バンド・メカニズムを導入しているが、これは20営業日28ドルを超えた場合、加盟10ヶ国にて日量50万バレル増産、10営業日22ドルを下回った場合、50万バレル減産すると云う価格維持帯を表明。

バスケット価格の指標はサハラブレンド・ドバイ・アラビアンライト・ミナス・イスムス・ティファーナライト・ポニーライトの上記7原油のスポット価格を加重平均したものである。

これらの加重平均値22ドル~28ドルの価格帯に止める事を目的として、上記連続営業日その価格が逸脱した場合、各国はただちに増減を行い、利害を共有するものとする。これら原油の世界市場は欧州は北海ブレンド、アジアはドバイ、オーマンが指標となり、北米地域はウエスト・テキサス・インターミディエイトがそれぞれ指標となり、北海ブレンドはロンドン先物市場、北米はニューヨーク先物市場、アジアならびにドバイは東京市場がその中心的役割を果たす。

各種原油の特徴は、オーマン原油 オーマンで産出され、イオウ分0.89%、API比重35.2度。ドバイ原油 UAEのドバイで産出、イオウ分は2.04%、API比重が31.0度。
なお、API度はアメリカ石油協会が定めた原油の比重を示す指標である。
数値が少ない程比重が大きく、重質で有ることを表す。ブレント原油 イオウ分0.34%、API比重37.5度、英領北海にて産出。なお、OPECの本部はオーストリアのウィーンに設置。

さらに原油は重油、軽油、灯油、ガソリン、ナフサといった石油製品に精製され、様々な用途で消費されており、米国に次ぐ原油輸入大国である。

近年は中国が輸出国より輸入国に転じ、消費拡大の度合いが注目を集めている。
年末日経紙を始め一般紙の紙面を飾った拡大OPECへの発展うんぬんの記事は、現在の需給では原油はさらに下落するとの認識にて、ロシア・メキシコ・ノルウェー等、減産協調を予定する5ヶ国を加える事により、OPECの価格主導権を再度奪還しようと試みるも、協調減産が正式に成立するかどうかは、極めて疑問視する声が高い。
ましてやOPECと非加盟国が正式な協定を結んだ訳ではなく、あくまで自主減産である。
特にロシアはその自主減産すら期間を定め、2002年3月いっぱいまでと限定。
さらにロシアに求めた日量20万バレルを5万バレル下回る水準に止め、OPECの求めた期間ならびに数量とはかなりの隔たりがある。

この様にOPECへの一方的な譲歩を避ける事により、原油価格への影響力をもそのキャッシングボードを握り、さらに影響力を増大するロシアの戦略がちらついてくる。
上記のように原油価格は世界全体の政治・経済の動向を中心とし、さらに産油国をリードするOPECの存在、一方産油国と輸入国を兼ねる米国の動向、特に中東を中心とする特殊な政治情勢、さらには為替等の変動をも加味したスケールの大きな材料により、ダイナミックに今後も変動する事となる。

現在我が国においての石油会社は28社。
その内給油所ならびに特約店を有する流通機構に則り、石油製品の販売を行っている石油会社の事を「石油元売り会社」と称し、11社存在する。
その内精製兼業はコスモ・昭和シェル・ジャパンエナジー・出光・東燃ゼネラル・太陽・九州の7社。残りは販売専業となる。

これらの石油会社ならびに元売り会社によって、国内のガソリン・灯油が販売されるのであるが、価格変化においては系列外のルートを通じて販売される業転価格に充分注意せねばならない。この業転価格が需給に応じて価格は敏感に乱高下し、さらには一つの指標価格を形成しているため、その動向に充分注意を払わねばならない。
また石油製品を仕入れる際、元売り会社から特約店への卸売り価格が必ずしも原油動向に左右されるものではなく、あくまでその折の国内、またはその地域地域の需給により、その都度決定される卸売り価格、すなわちこの仕切り価格をも充分念頭に入れておく必要がある。

さらに重要な事は、原油価格と国内ガソリン製品とのタイムラグが3ヶ月~6ヶ月ほどあり、当日NY市場急騰していても、国内定期市場においてストップ安もありえるのである。
すでに投資家の皆さんが何度も経験してきた要因がここにある。注意すべきは6月7月は精油所の定期修理が行われ、この期間、市場は一時的なアリガスレ現象となり、この折も外電とは全く別の動きをする事が往々にして存在する。

ガソリンは春から夏にかけてが需要期であり、8月がそのピークを迎える。
一方灯油は夏の間から在庫を徐々に貯めて、冬場の需要期に備え、そのピークは1月。需要期と不需要期との需給バランスは4から6倍近くに達する。
上記のように原油ならびに石油製品は、複雑な価格メカニズムと同時に、商品としての需給関係、大きくは地球規模の政治情勢を含むダイナミックな大型商品ではあるが、その価格形成の複雑さとタイムラグの大きさ等により、必ずしも直近の材料に反映しないばかりか、ともすると逆行現象まで起こす特異な銘柄の一つである。

直近の材料においてOPECの減産による原油価格上昇分は、末端への転化は困難であると云う元売り各社の実状である。
国内デフレスパイラル不況に加えて、各スタンドは今や機械化・無人化を推し進めており、そのコストを低下させようと必死である。

原油1バーレル・一ドル上昇する毎に、元売り全体で1日5億円前後の減益要因となると云われておるが、需要増大を望めぬ現在、業転価格への転嫁は不可能に近い。
市場ギャップに充分留意する事である。
特に石油製品においては、この市場ギャップに留意せねば、直近の材料にのみ目を奪われる事になり、思わぬロスを被る事となる。
資金配分を充分考慮し、当先のサヤを活用し、中長期の作戦にて臨む事を上策とすべきである。

東京金の価格変動要因

1.需要と供給

日本や中国、インド等で金塊購入意欲が高まると値上がる。
例えば、日本で銀行預金のペイオフが制定されたとき、預金を取り崩して金塊を買う動きがあった。
この実需は金価格に心理的な影響を与えて値上がる。
宝飾品の需要は、8月から9月にかけてのインドにおける婚礼需要と、イタリア等の宝石メーカーがクリスマス商戦に向けて製造する秋口に増加するという季節要因がある。
トルコや中国の宝飾品需要が一つの鍵である。
これらの地域の政治経済動向、通貨価値の動向などが金価格に影響を与える。

2.政情不安

米国がイラクに侵攻するかどうかが取りざたされたときのように、先行きの世界情勢に不安が生じたり、テロや戦争が懸念されると金価格は上昇する。
自然災害等も、人的システムへの不安から資金が金へシフトする動きが起こる。
イラク侵攻で見られたように、ブッシュ大統領が開戦をほのめかすと金価格は上がり、いざ開戦すると逆に金価格は値下がる。これは、石油価格も同じ傾向をたどった。
いずれも、開戦と共に、イラクの抵抗が少なくて終戦を迎えるという、一歩先を見越しているからだ。

3.経済不安

米国の景気が悪化し、ドル安になると「セーフヘブン」として金への資金シフトが進み、金価格は相対的に上昇する。
米国不景気→資金が米国から逃避→米国株安・ドル安→金高の図式。
景気が良くなると金価格は下がる傾向にある。

4.インフレに強い金

景気が良くなっても、世の中がインフレになれば金価格は上昇する。
通貨の価値が金の価値に比べて相対的に下がるからだ。

5.政府の放出

国家財政の健全化のために、各国政府が金準備の一部を売却する動きがあった。
売却の噂は金価格の値下がりを呼ぶ。
しかし、1999年9月、欧州中央銀行と15の中央銀行がワシントン合意により、金価格を守るため5年間の金の売却量を1年間400トン以下にすると取り決めた。

国家の売却が金価格の下落を招き、自らの首を絞める結果になることを恐れたからだ。この協定は2004年9月に期限切れとなる。
その後は、1年間500トン以下にすると取り決めた。

6.鉱山会社のヘッジ売り

金価格が高いときには、鉱山会社はヘッジ売りを行う。
これが大量に行われると価格は下がる。
鉱山会社としても相場を冷やすような動きは避けたいところなので、ブローカーを分散して密かに行われる。
金価格がブラックボックス価格(XXXドル/オンス)を超えると、鉱山会社は将来、生産する金地金を今の価格で売ってしまおうと、先物ヘッジ売りを行うことが多い。
そうなると、大量の売りを浴びて先物価格は下落する。

7.金の現物市場のプレーヤー

金地金は、金鉱山や銅鉱石からのバイプロダクションにより金鉱石が生産され、それが精錬行程を経て金地金になる。
金地金とは、いわゆる延べ棒であったり、ハンペンのような5kg塊、10kg塊等をいう。
小さなものではパチンコの景品に使われる5gや10g等もある。 もう一つの供給源は、スクラップである。これは、主に半導体にスクラップである。コンピューターを解体してプリント基板を取り出す。
これは主に銅資源であるが、「石」と俗称されプラスチックやセラミックカバーのICチップを基盤から取り、それをクラッシュしてプラスチック分等を取り除くと、シリコン基盤と銅のリードフレームをつなぐ部分が金線でできている。

これを溶融して取り出す。金鉱石を掘り尽くしつつある現代では、コンピューターは大変、効率のよい市中の金鉱石であるといえる。
それらの金鉱石は塩酸と硫酸を混ぜ合わせた「王水」に漬けると金分が溶融する。これを取り出せば純度の高い「純金」を取り出すことができ、これを溶かして鋳型に流せば再度、上記の金地金となる。
地金商と呼ばれる精製メーカーは、スクラップを王水で溶かして純金を取り出したり、宝飾メーカーで発生した削りくず等のスクラップを集荷し、また、海外から輸入した金地金を溶かして金の棒や線、パイプ等の中間製品を製造する。
宝飾メーカーはこれらの素材を輸入して宝石に加工する。

8.金の現物取引の動き

金の現物トレーダーは、海外の場合、大手地金商と、鉱山会社、及びブリオン銀行である。
日本でも銀行の店頭で金地金を購入することができるのだが、あまり流行っていない。
日本の場合、金は「物」として認識されるため、官庁の管轄は経済産業省になる。一方、銀行や証券会社は金融庁など旧大蔵省の管轄となる。

従って、日本の金融機関は、海外の地金商や銀行から金地金を買うことができない。金融機関は物を扱う商社から購入せざるをえない。
これが、日本の銀行が金地金をあまり売りたがらない一つの理由である。
一方、海外ではこのような縄張りはないため、銀行間で金地金の売買が日常的に行われている。
それを受けて立つ日本のプレーヤー、いわゆるブリオンディーラーは商社ということになる。

従って、商社は、海外の銀行等にスイス系の銀行とは、毎日金地金の取引を行っている。
スイスの銀行は東南アジア各国との取引を行うため、香港に支店を置いており、かなり大きな権限を与えているため、日本時間では日本の商社は香港にあるスイスの銀行の支店とロイター画面を通じて取引を行うことになる。
ゆえに、金の現物取引市場はロイター画面上にあると言える。

9.海外相場

日本の金価格は前日のCOMEX(NYMEXの一部門)の先物価格とLONDONの現物FIXING価格、及びスイスの現物価格等から影響を受ける。
スイスの現物価格は東京時間でも香港でQUOTEされているので、相互に影響しあっている。
日本における現物価格は、田中貴金属工業が毎日発表する買値と売値が一つの権威ある指標となっている。
これは1日中固定の現物価格であるが、プロの間では、24時間休みなく現物価格は変化している。

10.為替の動向

日本の金価格は日中の為替の動向と深く関わっている。円高に動けば円建ての金価格は安くなり、円安に動けば円建ての金価格は高くなる。

11.需給データ

金の需給統計は、英国の鉱山会社ゴールドフィールズミネラルサービシズ社が毎年5月、9月、1月の年3回発表している。
ワールドゴールドカウンシルは金鉱山が資金を出して金の用途開発や広報宣伝を行う機関である。
要は、金はムードで上がったり下がったりするかなり予測の難しい商品である。
テロや天災などの社会不安や米国の双子の赤字の拡大など通貨不安が起きると金需要が高まる。
現在の金価格は、上昇波動の一服となりいずれボックス価格を形成する時代となるだろう。次の波動に上昇するまで数年間のボックス相場となるだろう。

6.日本の原油在庫

金の場合、需給バランスの変化で価格が変動することは少ない。 なぜなら、金は有史以来約14万トン採掘されており、民間及び各国政府の中央銀行他に退蔵されているからだ。
プラチナが有史以来4千トン強の生産量しかないのと比較すると、大きな違いである。
金を買い占めようとすれば、日本の国家予算以上の資金が必要であり現実的ではない。
だから、需要がいくら増えても金が足りなくなるという状況は起きない。
金の主な需要は宝飾品向けで約2,700トンである。中でもインドは、婚礼用等に毎年600トンの金を輸入している。

近年、半導体など電子素材にも金が使われているが、その量は約500トンである。残りが退蔵用やヘッジ需要で、こうした需要を合計すると年間約4,000トンである。
一方供給は、鉱山からの採掘が2,600トン、スクラップからの回収が800トン、公的機関の売却が600トン弱である。

金のもう一つの側面は、金融資産としての役割である。古代からエジプト文明・中国文明・インカ帝国等、地理的にも時間的にも隔たった国々で、金は財宝として評価された。
金の価値を重んじる歴史は今でも連綿と続いており、華僑や印僑は、貨幣を貯めるのと同様に金塊を財産として蓄えている。

各国政府の金準備高も、ユーロが約12,000トン、米国が8,000トン保有しており、日本は約800トンで第五位である。
こうして金は通貨に代わる資産としての価値を有しているので、金価格も、政治・経済情勢等により変動する性質がある。尚、金1オンスは31.1035グラムである。

金の知識

金(ゴールド)金は悠久の輝きを持つ普遍の貴金属として、古来より現代に到るまで希少価値の高い財として広く認識されると共に、近年では従来の宝飾需要のみならず工業品としても新たな需要の裾野を拡大しております。

時代を超え普遍の財産として世界に普及するゴールドはその換金の利便性に冨み、好況不況に伴う需給増減による価格変動はもとより、新たに為替・株式市場・その他政治・経済全体に対するリスクヘッジの場を提供する重要な銘柄として注目を集めております。

国際金価格は金本位制の改革により、各国中央銀行による金の売却が相次いだため、1999年9月にワシントン協定を取り決めるにいたりました。
ワシントン協定における合意事項は
1 金は引き続き中央銀行ならびに国際金融において、準備資産とする。
2 参加15ヶ国の中央銀行は、決定済みの売却を除いて売り手として参加してはならない。
3 金売却は年間400トン以下とし、5年合計の売却量は2000トンを超えてはならない。
なお、この協定は5年後その時点においての市場を検討、新たに見直すものとする。

金の供給は2002年において3870トンであり、その内鉱山生産量2543トン、中央銀行からの売却549トン、スクラップより抽出778トン。2003年は3910トンの見込み。その供給は2000年以後3900トン前後で殆ど変わらず。
国別の増減は10年前と比べ南アフリカは614より385トンへと大きく減少するものの、オーストラリア・ペルー・インドネシア・ロシア・中国等各国の産金量増え、南アフリカの減産分をかろうじて補っている。

次に金の需要は宝飾品約70%、ヘッジ9%、欧米を除く投資需要7%前後、工業用7%、歯科用需要2%、その他5%前後。この様に宝飾需要の比率が極めて高いため、ジューンブライド後の夏枯れにて夏期安値を一時的に形成する事が多く、宝飾需要最大のイベントクリスマスをひかえ、年末にかけ再び値位置を引き上げる波動を近年継続している。

金需要国の順位は、インド850~900トン、アメリカ450トン前後、中国ならびにサウジアラビア200トン前後、日本・韓国・台湾・エジプト・パキスタン・トルコ・湾岸諸国等は150トン前後、インドネシアは180トン前後の平均使用量となっている。
宝飾需要が金においていかに多くの比率を占めているかを改めて認識すると共に、実需の買いスタート値は当面の底値を再確認。
また工業品需要増える毎に需給ギャップは拡大し、金の需要は各国の経済発展と共に年々増加の傾向となり、そのギャップを公的機関の売却とスクラップ等では解消困難になりつつある。

東京コ-ンの価格変動要因

トウモロコシも大豆と基本的に同じである。
生産地はコーンベルトと呼ばれる米国中西部である。作付け時期や開花・着サヤ時期も大豆とほぼ同じで、米国農家はどちらを植えるかを畑地の具合と、春先の価格等によって決める。

大部分の農家はトウモロコシと大豆を交互に作付けする輪作(Rotation)を行っている。また、全部の畑が同じ被害に遭わないように、一度に全部の畑が同じ被害に遭わないように、一度に全部の畑に作付けせず、時期をずらせて作付けする。
作付けの時期は大豆より早く、4月中旬から5月中旬。6月初旬がタイムリミッドで、トウモロコシの作付けが遅れると、大豆に切り替える。トウモロコシの生育期間の方が大豆より長いからだ。

トウモロコシの作付けの遅れは単収(単位当たり収量)の減少につながる。
また、トウモロコシは気温が10℃以下では発芽しないので、作付けが早すぎると降霜などの低温障害のため生育が遅れることがある。
トウモロコシは年間を通すと≪天候相場≫と≪需給相場≫に大別することが出来る。天候相場は4~9月の米国におけるトウモロコシの作付期、生育期、受粉期、収穫期までの期間のことだ。トウモロコシは農産物であり、作付から収穫まで約6ヶ月間の天候が生産量を決定し、相場が大きく変動するため、≪天候相場≫と呼ばれる。
一方、≪需給相場≫は主に輸出、飼料用などの消費動向中心の相場で、消費は経済動向などに左右され、特に天候相場の期間を除く10月から3月の6ヶ月間を≪需給相場≫と呼んでいる。天候相場の時期は、毎日の気象情報に一喜一憂する展開で、値動きも活発なため人気化しやすい。

1.天候相場

生育段階は大豆とおおむね一緒である。4月の低温障害や、6月初旬以降の作付けの遅れが生育状況に影響することを念頭に置く必要がある。
7月初旬に受粉するため高温乾燥は禁物である。適度な雨量が必要となる。
9月頃に霜が降りると外見はトウモロコシだが、中身が貧弱なものができる。
11月には収穫が終わるが、長雨などにたたれると収穫が放棄され、収穫放棄面積の規模で相場が動くことがある。

2.需給相場

収穫がすむ頃から需給相場が始まる。大豆と同様に、需給相場では、中国やブラジル、アルゼンチンの生産動向が注目される。
米農務省の各種発表に注目
天候相場期に入ると米農務省は様々な発表を行うが、以下のものに注意したい。 週間生育状況作付、開花、受粉、収穫など生育の節目となるステージの進展状況をパーセントで表示する。

3.週間作柄

状況作柄を5段階(優、良、並、不良、極めて不良)に分けて発表し、市場の一部では『優』と『良』を合計した数字を作況指数として、作況判断の目安にしている。

4.穀物生産予測

8月から翌年1月までは実測値に基づいた生産予測が発表される。
8月から11月までの天候で生産量が左右され、しかも需給に直結するため、市場の注目度は大きい。

5.生産量は受粉期の天候がカギを握る

トウモロコシの生育は大きく分けて、作付け期、受粉期、成熟期、収穫期に分類できる。米国では4月から作付け作業が始まるが、この時期はまだ冬から春への変わり目で、クール&ウェットの天候になると作付け遅れや収穫放棄などの事態が起こる。
トウモロコシの生育期で一番重要なのは年間で一番気温が高い7月からの受粉期の天候だ。
トウモロコシは受粉期が短い上に、気温が40度前後まで上昇すると受粉生涯が起こり易く、短期間での熱波でも減産につながるため、市場が一番神経質になる時期でもある。
トウモロコシの生育期で一番重要なのは年間で一番気温が高い7月からの受粉期の天候だ。
トウモロコシは受粉期が短い上に、気温が40度前後まで上昇すると受粉生涯が起こり易く、短期間での熱波でも減産につながるため、市場が一番神経質になる時期でもある。

※トウモロコシ特有の用語解説

<タッセリング(Tasseling)>

トウモロコシの穂が出る時期、作付け後35~40日頃。

<シルキング(Shilking)>

トウモロコシの毛が出る時期。
タッセリング後、通常6月後半から8月前半までに、将来実が付く部分におしべに相当するシルクが形成される。

<ポリネーション(Pollination)>

受粉。
7月初旬から8月上旬、最大のエネルギーと水を必要とする受粉期に突入する。花粉がめしべにうまく付着するためには、適度な温度(十分な水分)があることが条件となる。あまり高温だと受粉に失敗し、実の付かないトウモロコシとなる。

<ミルク・ステージ(Milk-Stage)>

受粉後2~3週間の時期。

<ドウ・ステージ(Dough-Stage)>

生育段階。初期のミルク状の穀粒が除々に柔らかい固まりになっていく過程。
この時期に早霜があるとソフトコーンになってしまい、生産高が大幅に減少する。

<デント・ステージ(Dent-Stage)>

ミルク状の穀粒が歯(デント)のように固くなっていく段階

コーン・クロップカレンダー

コーン・クロップカレンダー
日数 0~10 ~20 ~30 ~40 ~50 ~60 ~70 ~80 ~90 ~100 ~110 ~120
生育状況 播種 発芽 初期成育 タッセル シルク ミルク ドウ デント 成熟 収穫

例年、3月の米農務省需給発表を境に、市場は南米の天候相場に区切りを付け、米国中西部の土壌水分の適性度を測るため、自国の天候に注意と関心が向けられる事となる。
作付け期、土壌水分が多ければ、ぬかるんで機械が畑に入れず、作付けは遅延する事となる。また、土壌水分が少なければ、最悪発芽せず、発芽しても生育は大幅に遅れ、立ち枯れもあり得る。播種後、数日で発芽するが、理想的な発芽のための地温は華氏60度であり、地温が華氏50度以下では発芽しない。
トップソイルはやや乾燥気味の65~70前後が最良とされる。これは農地にトラクターを初めとする機具が入りやすい土壌と云われる。土壌水分適正に関しては、すでにこの時期天候相場は始まっていると言える。

一度に大量の雨が降るのではなく、土壌にしみ込む適度の雨が何回か続く事が望ましいとされ、乾燥土壌の折は、7インチ前後まで土壌水分が浸透しなければ、生育に支障をきたす事となる。プロウイング(すきおこしにて、トラクターを入れて耕作する事)からプランティング(植え付け=播種)に、土中温度華氏50度を超えた地域より毎年徐々に作付けスタートする事となる。

条件が整えば4月入りを待つ理由は無い。播種は判で押した様に4月半ばスタートだけではないのである。農家とて今やハイテク時代、条件さえ満たされれば一気に作付けは進展する。コーンは大豆より土壌水分を大量に必要とし、気温・病虫害に弱く、受粉時期がわずか一週間の一発勝負。

コーンはイネ科の大型一年草にて、原産地は中央アメリカ説とアンデス地域との2説あり、コーンを中心とする農耕初期文化が発達。特にインカの階段耕作は有名である。

トウモロコシの呼び名は各地で異なり、イギリス・英語ではコーンをメイズと言うが、スペイン語のマイスがその語源と云われる。その他イタリアではトルコの穀物、オランダ・ドイツではトルコの小麦、南仏ではスペイン栗。これらによりコーンは様々な経由にてヨーロッパ各地に広まった事が解る。

種類は馬歯種(DENT)・硬粒種(FLINT)・甘味種(SWEET)・爆裂種(POP)等があり、飼料用・工業用や食品用として使用されているのはDENTが主である。、POPはポップコーン菓子に、SWEETはそのままの食用、料理にも使われる。
コーンは異なる品種間で交配した雑種強勢により、1代目はより優れた形質を示す特徴がある。この特徴を活かして作られたのがハイブリッド種で、一世代のみの種子であり、馬歯種と硬粒種と交配させたものなど、さまざまな品種を交配させ、収穫の上がる種子、成育期間の短い早成種子等が開発され、その年の土壌や気候を見ながら、農家は最適の種子を選択する事が可能となった。

播種

播種はplowing(すきおこし)よりスタート、pianting(植付け)本番に到る。通常年では4月中旬より6月初句にかけて行われるが、六月の播種では、早霜の被害を受けるリスクがそのぶん高くなる。
農家はハイブリットの早期熟成種を選ぶ事となるが、イールドが落ちる欠点があり、収穫減につながる。よって作付けは5月中に終了する事が、豊作への重要なる第一歩という事ができる。昔からイリノイ中央部では、5月1日を挟む2週間が一番良いとされている。

発芽

播種後数日で発芽、理想的発芽地温は華氏60度。50度以下では発芽せず、5月10日以降の作付けでは単収が落ちる。イールド減は下記の通り。

5/10~5/20 一日遅れる事に、エーカー当たり1/2buダウン。

5/20~6/1  一日遅れる事に、1~1.5buダウン。

さらに遅れれば、農家は大豆へと切り替えるか、早成ハイブリット種への切り替えとなり、早成ハイブリットではイールドは低下する。農家決断の時である。

早めの植え付けは浅く(2インチ)遅めの植え付けは深めの3インチが植え付けのコツにて、密度はエーカー当たり20,000~24,000粒種子が一般的であったが、最近ではより密度を上げる方式がとられ、イールドの向上の要因の一つになっている。

地球温暖化の影響は確実に米国にもおよんでおり、作付けは年々早まる傾向にあるが、特にラ・ニーニャ年は春より夏の乾燥する年が17年の内15回。
特にアイオワ、ネブラスカと云う、コーン産地1位と3位の地位を占める主産地がドライ年となっている。 この両州の全米生産量は32%に及ぶ。

初期成育

コーンの初期成育期間は4~5週間かかり、特にこの期間において根、茎、葉を成長させるが、分蘖の数は少なく1~2本が普通である。1~2メートルに成長すると、多数の根が冠状に出て地中に入り込み、倒茎を防ぐ事となる。

タッセリング(雄花から穂を出す事)

播種より50日前後経過すると、銀白色の糸状の穂(雄花穂)が出てくる。これをタッセリングと言い、中央の長い軸より20本前後の枝が分かれ、2個ずつ対となった小さな穂が多数つく。穂には無数の小花がつき、コーンらしくなる時期である。

シルキング(種実部より絹の様な長い毛を出す事)

コーンが最も水分を必要とする時期は、播種より50日~80日の受粉期前後にて、1日当たり7~10ミリが理想とされている。

この時期の理想気温は華氏75度から86度、100度(摂氏37.78度)を超すとヒート・ウエーブにて反収は激減する、いわゆる受粉失敗である。

尚、この時期、気温・降水量・日照時間の天候三要素のうち、最も重要なのは降水量と云うこととなる。降水量を詳しく分析すれば、一日当たり理想水分は右記の通りとなる。なお、表の緑色部分は最も水分を必要とする時期である。

コーンは年間降水量25インチ以下の所では生育しないと云われており、また成長期には18~20インチの降雨量を必要とする。ゆえに乾燥地帯での生育限界地は、ネブラスカ中央部となっている。

コーンにおける早めの作付け完了は、豊作に結びつく最大条件の一つであり、早めの作付けは受粉の時期を夏場のヒート・ウエーブの手前にずらす事に成功する。

次にコーンは受粉に成功すれば8割方豊作決定と云われる。受粉前後の期間より受粉後は必要土壌水分は減少し始め、播種後90日を過ぎれば水分必要量は急速に減少する事は上記表の通り。よほどのアクシデントがなければ豊作と云われるゆえんである。

干ばつとコーン生存可能水分とは別の次元の問題であり、コーン相場において乾燥気候と干ばつ気候とを区別して投資作戦を組み立てる必要あり。次にデント、成熟、収穫までの必勝基礎知識の説明を致します。

デント・ステージ

種より100日前後へると、コーンの穀粒は次第に固まり、歯の様に硬くなる。よってデントと称しておりますが、この時期水分はさほど必要としない。むしろ乾燥気味の天候が望ましい。受粉により配列は決まり、穀粒の大きさも整ってくる。このデント・ステージに到ると、もはや早霜の被害は殆どない。

成熟

播種より110日~120日にて、コーンは成熟を完了する。穀粒はさらに硬くなりホウ葉は黄色に変色する。もはや霜は関係無い、但し穀粒の水分は未だ18%前後有するため、乾燥気候が望ましい。

収穫

収穫のタイミングは4日~1週間晴天が続き、穀粒の水分はさらに低下、12%以下が理想と云われる。長雨が続くと乾燥は遅れ、やむなく水分が高いまま収穫せねばならず、その為高温の乾燥機にかける事となるが、品質の劣化は避けられない。

コーンは最後まで気が抜けないと云われるゆえんである。天候相場の妙味と恐ろしさは、市場人気がわずか一夜にて全く変わってしまう所にある。先物取引は文字通り先物、すなわち予測の先取りにて、さらにそこには人気と云う魔物が存在する。

人気は往々一方的に偏り、人気の影に隠れた正反対の材料を時に全く無視。そしてそれは前触れも無く、わずか一夜にして表舞台へと躍り出る。いわゆる人気の逆転である。

市場は前日とはうって変わって正反対へと動きだし、人々唖然とする中、あっという間に利は剥げ、さらには追証に次ぐ追証、天国より地獄へと叩き込まれる。

ゆえに先物取引は投資では無く投機と云われ、天候相場のこの時期は、投機中の投機であると云う認識を持たねばならない!!

特に受粉前は、天候いかんと人気によって、年間で最もブレやすい期間にあたり、コーン相場において年間の高値、安値を付けやすい時でもあり、人気は現実の作況とは関係無く、一回の予報で逆転する事がまま有るからである。

特に受粉前後の予報には注意を払うべきで、華氏100度(摂氏37.78度)を超えていれば、畑がいかに青々と繁っており、成長申し分なくとも、凶作は決定してしまうのである。(受粉失敗)毎週発表される土壌水分には、ことのほか注意をはらうべきで、土壌水分の見方は39%以下、非常に不足。40%~69%を不足、70%~99%を適度、100%~149%を過剰、150%以上を非常に過剰とする。

トップソイルは発芽と初期育成に重大な関係をもち、一方サブソイルは受粉に関係を持つ。トップソイルと土中温度が充足された折、作付けは進展。サブソイル充分に満たされた折は、余程の気温上昇で無い限り受粉は成功裏に到る。

天候相場に到った折は、上下の可動値幅をあらかじめ考慮し、資金配分を充分に計り、建玉の技術を駆使し、逆張りに徹する事を奨励する。天候・外為・輸出検証・生育状況・その他競合品の動向等を考慮し、いかなる強材料・弱材料出現しようとも、慌てる事なく現水準よりの可動値幅を考慮し、上記作戦に則り、ゆったりとしたキザミ幅をあらかじめ設定。

逆張りに徹する事である。人気に左右される事なく、天候相場の必勝法は決して『天候相場の高値』を付和雷同、飛びつき買いせぬことと同時に、どん底安値を売り叩く愚を行ってはならない。要は天候相場であるがゆえ上下のブレは常に念頭に置き、総踏みの天井買い・総投げのどん底売りは厳に慎まなければならない。

東京トウモロコシの特徴

トウモロコシは、メキシコ料理店等で見られる黒っぽい干からびたものをイメージした方が良い。 南米アンデス山麓の低地帯が原産といわれ、マヤ文明では主作物として栽培されていた。トウモロコシの用途は、主にコーンスープや茹でて丸かじりするもの、ではない。これらはむしろ例外的な需要である。

その約8割は家畜の餌となる。ブロイラーの体重を1キロ増やすためには、トウモロコシ(単独ではなく配合飼料等の形態となるが)2キロ必要で、同様に、豚4~5キロ、牛7~8キロのトウモロコシが必要となる。体重150キロの牛を450キロにしたいとすれば、1頭2.1トン~2.4トンのトウモロコシが必要となる。

近年、中国等アジアの国々の生活水準が向上して食肉が増加してきた。トウモロコシの需要は益々、増加する傾向にある。飼料以外の用途としては、コーンスターチと異性化糖がある。 コーンスターチは段ボールの製造や魚肉など練り物のつなぎに使われる。

また、異性化糖は、その昔オイルショック時にニューヨークの砂糖価格が1ポンド当たり66.5セントまで上昇、東京粗糖もトン当たり23万円を突破する大暴騰となった。そこで砂糖を使うメーカーは、トウモロコシの糖分を利用することとなり、HFCS(ハイ・フラクトース・コーン・シロップ)つまり、異性化糖が使われ始めた。今では缶コーヒー・清涼飲料水・コーラ等の甘味料として使われている。また、トウモロコシを原料としてエタノールと呼ばれる工業用アルコールが製造されている。

トウモロコシの生産国

トウモロコシの供給は主に米国である。世界の4割を生産し、世界の輸出量の7割弱を供給している。中国が2割の生産でほとんどが国内消費に回る。 アルゼンチンは米国に次ぐ輸出国である。EUも3番目の輸出国とされている。輸入は日本が2割強で最大、次いで韓国、メキシコ、台湾などとなる。

東京砂糖の知識

砂糖の原料農産物は、ケーン(甘蔗)とビート(てん菜)であり、ビート糖は白糖の状態で取引され、甘蔗糖は粗糖として国際市場で取引される事となる。ケーン(甘蔗)は汁を搾るため小さく砕かれ、上澄み液を煮詰め、その後遠心分離器にて糖蜜を分離した茶褐色の原材料が粗糖である。

主な輸出国はブラジル17.6%、タイ9.5%、オーストラリア9%前後、キューバ8%前後、フランス6%、ドイツ4%、南アフリカ4%前後、その他の国々が42%前後という事となり、一方砂糖輸入国はロシア11%、日本4%~5%、米国4%前後、インドネシア4%、英国3.9%、マレーシア3.8%、韓国3%前後、中国同じく3%前後であるが、IMF加入により急増する可能性を含む。カナダ3%前後、その他60%前後。

原料ケーンは低緯度向きであり、ビートは高緯度に適した作物であるがゆえ、その生産国は世界中到る所で生産可能であり、百数十ヶ国、要はどの国も砂糖生産は可能と云うことである。

また日本の粗糖国別輸入量はタイ49.2%、オーストラリア39.6%にて、9割近くの輸入をこの2ヶ国にて依存している事となる。
南アフリカ10%前後にて、その他フィジー等があるが、殆ど輸入量は限られている。この二ヶ国の生産動向がNY市場の砂糖相場と同様、我が国粗糖相場において重要な価格変動要因となる。

我が国の砂糖先物市場の開設は、大阪砂糖取引所が設立された19世紀末。第二次大戦後は配給制度廃止の後、新たに東京砂糖取引所・大阪砂糖取引所が設立された。
粗糖の受渡し方法は、NY市場においては産地積みFOB渡しが主体であり、これはNY市場においてはキューバ産の受渡しが禁止となっているため、供用品拡大の意味で各地に点在する産地渡しの条件となっている。
ゆえにNY市場はともすると渡し方有利の市場と云う事となる。


この10年の価格変動であるが、1997年(平成9年)12月2日に付けた35250円が最高値であり、2000年(平成12年)3月8日に付けた13610円が最安値と云う事となる。
これらの値位置の変動をみれば、為替さらにはNY市場の動向も加味し、3万円以上はすべての要因を含み高値圏、33000円以上は天井圏と云うことになる。一方2万円以下は安値圏、15000円以下は大底圏と云う事ができる。
上下波動は極めて乱高下、取り組み方によっては大きな利益も望めると同時に、リスクも多いハイリスク・ハイリターンの銘柄ではあるが、ある程度一方付いて動く性質ゆえ、波動的には取り組み易い銘柄と云える。
粗糖は世界生産量の内、約25%が国際貿易で取引され、さらに各国の管理価格下の規制があり、自由市場での砂糖取引は1500万トンから1600万トンに限られ、その絶対量の少なさゆえ自由市場においてわずか2~300万トンの増減が市場に過大な影響を及ぼす事となる。
ゆえに上記のような上値と下値極めてその価格差が生じる事となる。これらにより、統計上の誤差も生じやすく、コスト割れの期間が4~5年続く事もあり、その結果統計ミスの修正が価格修正急上昇を引き起こす。これが名高いシュガーサイクルと云われ、過去7年から10年毎にこのシュガーサイクルが起こってきた。
近年さらにその間隔が狭まる傾向にあり、この10年では2度のシュガーサイクル、すなわち93年(平成5年)の4月5日 33900円、そして先刻述べた平成9年12月2日 35250円等の3万円以上の波動を二度付けるに到る。
さらに98年8月10日は戻り高値の32200円を付けるに到るが、大勢下げ波動における二番天と捉えるべきであろう。これらはいずれも国際自由市場での絶対量の少なさによるものである。農産物である以上、需給においては充分注意を払うは当然であり、特にFOリヒト社・ザーニコフ社ならびに米農務省等が世界需給を発表する数値を考慮すると共に、最も注意しなければいけないのはリヒト社の発表。
需給においてはダントツの権威を誇る。さらにコーン同様在庫率も重要な価格変動の要素であり、過去いずれの大相場の折も、在庫率は30%以下の年であり、27%割れは危険ラインと云われる。なお、欧州ビートについてはフランス砂糖市場介入委員会から需給発表がなされている。
我が国においてはタイと産砂糖とオーストラリアの気象・天候・生育状況に注意を払うのはもちろんではあるが、ケーン産地としてのブラジル・キューバ等の天候にも留意する事が必要である。天候被害の主たる要因は、甘蔗は低緯度地帯であり、ハリケーンと干ばつ等による被害の度合いも加味される事となる。相場の習性は2月3月に年間安値を出しやすく、春先から夏場にかけて高値を構成する習性をもっている。
ゆえに粗糖相場は2月の安値を買い、春から夏への高値へと売り抜ける作戦と同時に、その折の需・為替等を考慮し、2月から3月の一段安を充分引きつけてから、買い仕込むが上策である。

東京株式の価格変動要因

現在、製作中

東京ゴムの価格変動要因

1.日米の自動車需要

需要の大半を占める日本や米国における自動車生産動向がゴム価格に影響を与える。

2.中国の買付け

最近では中国の自動車生産がウナギ登りなので、中国一国の自動車タイヤ用天然ゴム需要が大きな影響力を持つに至っている。
上海先物市場に上場されているゴム価格が乱降下している。中国のゴム買付け時期が、いつかということは、価格変動の大きな要因の一つとなっている。

3.季節変動要因

天然ゴムは、北半球では11月から1月にかけての雨期のシーズンに生産され、2月から4月をウィンタリングと呼んで減産期となる。
従って、価格は秋から冬にかけ下がり気味で2月から4月にかけては供給不足気味となる。
また、需要サイドでは夏冬の工場の休暇前には買付けが細る関係から需要は落ちる。

4.現地現物価格

通称タイオファーと呼ばれる生産地でのUSセント建ての価格は、現物価格の動向を反映している。
日本の価格が安いのに、タイオファーが高い場合は、中国の買付け気配が影響していると読む。その場合は日本の価格は上がる可能性が高い。

5.全国生ゴム営業倉庫在庫

日本ゴム輸入協会が毎月10日に発表する全国生ゴム営業倉庫在庫の増減はゴム相場に影響を与える。

6.内部要因

ゴムは、貴金属や石油に比べて内部要因による影響が大きい。大手取扱い業者の動向や、仕手筋の動向に価格は左右されることがある。
こうした動きは、業界紙や市場関係者の話を聞くしか方法がない。
一般投資家の場合、東工取の手口表を丹念にトレースすると、その動きが見えてくることがある。根気と経験、勘の世界である。

7.需給データ

ゴム製品統計は経済産業省が毎月発表する。
日本自動車タイヤ協会は、毎月自動車タイヤ・チューブ生産・出荷・在庫実績を発表する。日本自動車タイヤ協会は年央と年末の2回、需要見通しを発表する。

自工会は国内自動車生産実績や輸出概要を発表する。
新車登録台数は自販連や全軽協が毎月発表する。
ゴム製品の生産・出荷・在庫統計は日本ゴム工業界が毎月発表する。
ゴムには天然ゴムと合成ゴムがある。東京工業品取引所や大阪商品取引所に上場されているのは天然ゴムである。

ゴムの特徴

産地は赤道を中心に北緯・南緯15度圏内に位置する高温多湿で強風の吹かない地域に集中している。
例外として中国の海南島や雲南省での生産がある。
一番多い生産国はタイで、次いでインドネシア、インド、マレーシア、中国、ベトナムの順である。用途は、その80%が自動車等のタイヤである。

国別の消費は中国、米国、日本、インド、マレーシア、タイ、韓国の順である。
ゴムには天然ゴムと合成ゴムがある。東京工業品取引所や大阪商品取引所に上場されているのは天然ゴムである。
産地は赤道を中心に北緯・南緯15度圏内に位置する高温多湿で強風の吹かない地域に集中している。

例外として中国の海南島や雲南省での生産がある。
一番多い生産国はタイで、次いでインドネシア、インド、マレーシア、中国、ベトナムの順である。用途は、その80%が自動車等のタイヤである。
国別の消費は中国、米国、日本、インド、マレーシア、タイ、韓国の順である。

ゴムの原産はアマゾン川流域の自然林よりその源を発するゴムの樹と云われており、その使用は古くアステカ文明の時代にさかのぼると云われております。
ヨーロッパを始め世界各地へ拡大廣散に到ったのは、コロンブスのアメリカ大陸発見によるものと云われており、その後ヨーロッパへ苗木を持ち帰るも、気候・風土に合わず、現在の世界の主産地はアマゾン流域の気候に似ている高温多湿の東南アジア タイ・マレーシア・インドネシアの三ヶ国にて世界生産量の70%の寡占状態。

世界生産量は約6770(千トン)その内タイが34%・インドネシア24%・マレーシア12%、その他30%となり、よってこの三ヶ国の生産状況・経済情勢・通貨レート・産地在庫等が市場に直接影響を及ぼし、価格変動の大きな要因となるため常に留意すると共に、生産にダイレクトに響く天候の状況にも眼を離す事はできない。

また、ゴムの樹は多年生にて常時採液可能ですが、雨期と乾期では生産変動が激しく、特にウインタリング(落葉期)には樹液の出る量は激減。事実上タッピング(ゴムの樹に傷を付け、その樹液を採取する)不可能。
周期的には11月より2月中旬までが樹液採取最盛期にあたり、2月後半より4月中旬までが減産期にあたる。

主な消費国はアメリカ・日本・中国・韓国・ドイツの順であるが、この数年中国の輸入が急増する傾向にあり、同国の消費量は市場の台風の目になりつつある。経済発展に伴うインフラの整備および自動車生産等の工業需要が大幅に伸びつつある。
以下天然ゴム輸入国別量(千トン)は、米国が900~1000、日本700~750、中国400~450、韓国350前後、ドイツ約230となる。

ゴムの需要用途は、自動車用タイヤ・チューブ・航空機用タイヤ、産業機器用、耐震用機器、各種ホース、ベルト、シート、履き物・手袋等、幅広く加工・使用されている。その特徴は柔軟性と伸縮性に富み、さらに防水性を兼ね合わせ、多方面の産業に使用されている。
また製造方法の違いよりRSSとTSRとに区分される。RSSは樹液をシート状にした後、煙にて燻したもの。TSRは自然凝固させ、水洗い後乾燥させブロック状に固めたもの。 両者ともゴミの含有量にて各号に分けられる。
以下天然ゴムの工程はRSS(燻煙シートゴム)タッピング→フィールドラテックス→凝固処理→シート成型→燻煙→格付け→タッピング→RSS 
TSR(技術的格付けゴム)タッピング→フィールドラテックス→カップランプツリーレース→選別→ゴミ除去→熱風乾燥→プレス→バレッタイズ→TSR

ゴムの波動的な特徴は、増産期に至る初期より逆に上昇を開始し、減産ピークに至るウインタリングの4月にかけ逆に価格を下落する、いわゆる市場先見性を最も発揮する銘柄である。
この3月から4月における減産期の下落後、本来の需給に基づく相場、すなわち年、前半を天候要因による波動展開、年後半を需給に基づく動きとなるのがゴム市場の特徴である。
その折内外の在庫ならびに産地における輸出動向が大きな要因となる。
過去10年間の高値は、1994年末より1995年初期に形成した高値圏による天井値183.1円、1995年の二番天181.5円、さらに1997年161.7円と、160円より180円台までがこの10年の天井圏となる。
一方底値圏は、1999年より2001年までの三年間におよぶ長期底練りによる60円より80円。

よってゴムの天井圏は160円以上180円台まで、底値圏は60円より80円であることを過去10年の波動は示す。
さらに大相場へ育成の折は、途上当先逆ザヤとなるのがこのゴム相場の特徴にて、大きな逆ザヤにて長期間に渡る。その逆ザヤ短期にて継続せぬ折は、その上昇幅は限られてくるのが特徴となっている。

過去幾たびか仕手銘柄となり、その波乱性を発揮したゴム相場は中国の需要増大という新たな材料を得、今再び上昇波を鮮明にしつつある。折しも季節的要因による上昇とあいまり、今後の展開が注目される。

東京白金の価格変動要因

1.貴金属全般の動き

貴金属全般の動きに従うことがある。
金価格が上昇すれば、銀と同様、白金価格も上がる傾向にある。

2.中国の宝飾品動向

以前、欧米や中国における宝飾品は、金製品が主体であった。白金は高温でしか溶けず、かつ非常に固いため加工が難しい。
日本におけるエンゲージリングやダイヤモンドの立て爪用の需要が、宝飾品用プラチナ需要としては、一番多かったのだが、この10年で香港やイタリアで白金の宝飾品用加工技術が発展したため、それまでのホワイトゴールド(金と銀等の合金)に代わって新しい需要が生まれた。
従って、中国のプラチナ宝飾需要の動向は大きな価格変動要因となっている。

3.自動車触媒の需要

自動車の売れ行きに影響を受ける。

4.新しい用途(燃料電池)

将来のプラチナの大きな用途として燃料電池が挙げられる。
燃料電池は水素と酸素を反応させて電気を起こすものであるが、水素はメタンガスやガソリンから改質することが考えられている。
その改質装置はプラチナの触媒が欠かせない。
また、プラチナはその耐食性、耐熱性からアノード/カソード電極として使われている。
燃料電池の技術開発は日進月歩なので今後どうなるかわからないが、現段階では燃料電池の普及はプラチナ需要の増加につながる。

自動車がすべて燃料電池になった場合は、今の自動車触媒需要の約10倍のプラチナ需要が生じると言われている。
尚、このことは既に現在のプラチナ価格に織り込み済みであるが、将来、燃料電池が家庭用等で普及するような情勢があれば、さらにプラチナ価格を押し上げる要素となろう。

需給要因としては、この燃料電池によるプラチナ需要は、需給を非常にタイトにさせるはずである。その意味では、プラチナは長期的には買いである。

5.鉱山会社の設備投資動向

プラチナの生産を増やすのは容易ではない。増産は数年計画となる。
こうした増産計画が発表されたり、設備投資の状況、ストライキ等鉱山経営者の状況はプラチナ価格に影響を与える。

6.南アの政治経済情勢

プラチナは南ア1カ国に偏在しているので、南アフリカ連邦共和国の政治経済情勢には敏感である。

7.ロシアと北米の生産

南アフリカ以外にはロシア(16%)とアメリカ(7%)で生産されている。これらの生産状況もプラチナ価格に影響を与える。金と違って、生産状況や消費動向に敏感なのがプラチナ価格の特徴である。

8.海外相場

前日のニューヨークNYMEX先物取引価格に影響を受ける。
また、スイスの現物価格は、日本時間でも香港の出先を通じてロイター等でQUOTEされているので、この現物価格も先物価格に相互に影響を与え合う。

9.為替の動向

金銀同様、大きな変動要因の一つとなっている。

10.統計資料

需給バランスの統計は英国の貴金属精錬メーカー、ジョンソンマッセー(JM)社が年2回、5月中旬と11月に発表している。
この資料の需給バランスあるいは在庫推移は価格に影響を及ぼす。
毎年5月にロンドンでプラチナに関する業者やディーラーが集まるパーティーがある。JMの発表はそのプラチナウィークの間に開催されるJM主催のパーティーの席上で発表される。

東京白金の特徴

白金は年間供給量190トン弱であるが、その4分の3は南アフリカで生産される。
金鉱山も地中深く掘っているが、白金の鉱山も地下1,000メートル級の縦穴を掘り、地中に総延長百数十キロに及び坑道を作る。
しかし、前述したように、白金の鉱脈はわずか数センチの薄い層で、100キロ四方のサバンナの地下に、お椀状に拡がっている。
毎日、ボタ山ができるほどの土を掘り出して、ロータリーキルンで粉砕し、浮遊選鉱に始まる精錬行程を経て最後に溶鉱炉でニッケル分を分離してできるのがプラチナ鉱石である。
しかし、プラチナ鉱石といっても、1日の生産量はわずかバケツに数杯の分量である。
ところが、これがプラチナではない。さらにこの鉱石をヘリコプターに積んで100キロほど離れた貴金属精錬工場に運んで塩酸や硫酸を使ってプラチナ分を抽出する。

そしてできるのが、豆腐大の塊5kg塊数個である。この工程を見ると、「貴金属」という名前に実感が湧く。プラチナとパラジウムの特徴は、その生産性が硬直的であり、簡単に増減産ができないところにある。
主な用途は宝飾品と自動車触媒である。それぞれ4割ずつを占める。
触媒作用とは、自らは何ら変化しないが、プラチナ族金属にガスが接触すると、化学反応が促進されるという特徴をいう。

前述のように自動車の場合、排気ガス中には、HC(炭化水素)、CO(一酸化酸素)、NOx(酸化窒素)が含まれている。
これらのガスは、プラチナ族金属が表面を覆った、セラミック製のハニカム状の筒を通ると、酸化反応と還元反応が活発になり、人間に無害の二酸化炭素や酸素等に変わる。
触媒は自動車だけでなく、石油精製設備や石油化学工場でも多用されている。
プラチナの隠れた用途の一つには、ガラス工場の設備がある。高温で溶けたガラスを流すため、融点が1700℃の耐熱性に優れたプラチナの特性が生きる。

モリブデンの方が耐熱性はより優れている。
しかし、モリブデン銅等を使うと、溶解したガラスが設備を通る間にモリブデン銅の不純物を巻き込んでしまう。
その点、プラチナは、王水以外は何者にもおかされない、強い耐腐食性能を持つ。
高温においても腐食しない。ガラスの通り道の生産設備としてプラチナは欠かせないものとなっている。
ただし、これらの生産設備用のプラチナは、一度、工場を建設したら、ほとんど半永久的に再利用されてしまう。
貴金属の重要な特性の一つとして、王水(塩酸と硫酸の混合液)に溶ける性質がある。この性質を利用すると、貴金属の合金は何でも純粋な元素に戻すことが経済的に可能となっている。
例えば、ステンレスス鋼は鉄とニッケル等の合金であるが、これをFeとNiに分離することは経済的には難しい。
ところが、18金は金75%と銀やニッケル等との合金であるが、Au、Ag、Ni等を分離して取り出すことができ、全重量の75%に相当する99.99%minの純度の純金を取り出すことが可能である。

だから、18金でも14金でも、それなりの値打ちがある。このような性質を利用して、貴金属で作った設備は、一定の時間が経つとリサイクルして再利用される。
自動車を解体したときに最も高価な部品はマフラーである。それは、プラチナが入っているからだ。
電話交換機を解体すると、銀やパラジウムの接点が取り出される。人間の歯には金にパラジウムが使われる。

プラチナの設備で、リサイクル頻度が一番高いものの一つが、坩堝(るつぼ)であろう。坩堝というと理科の実験を思い出す方もあるかも知れないが、その通りで、化学分析に使う皿やピンセットはプラチナで作られる。
中でも半導体用のシリコンウェファーを作るためのシリコンやガリウム、ヒ素等の単結晶を作る器具はプラチナで作られている。

これを坩堝と呼んでいるが、1回生産するごとにプラチナの坩堝は破られて、中身の半導体結晶だけが取り出される。坩堝は容易に再生できるからだ。
最近ではプラチナや貴金属の基盤にビームを当て、そこから飛んだ粒子を基盤等に塗布するスパッターリングという技術が発達して、ミクロン単位の薄さでコーティングすることが可能になった。
この技術の発達により高価な貴金属も半導体材料として使われるようになった。

部品一つひとつに使われる貴金属の量は極めて少ないが、日産何億個という単位で作られるものもあるので、総量としては大きな需要となりつつある。
パラジウムを使ったコンデンサーがそのよい例で、1ミリ角程度の製品にはパラジウムとセラミックが交互に100層以上積層されていると聞くと驚きである。

白金の知識

白金はその供給の8割強を南アフリカに、2割弱をロシアに依存しており、その他北米にてわずかな量を産出。他の貴金属同様、その需要は従来宝飾需要が主体であった。
ところが90年台に入り、化学・電子部門・ガラス・石油の精製・および触媒等の工業用需要の驚異的拡大により、宝飾需要との比率を一気に縮小。
2000年におけるジョンソン・マッセイ社の発表においては、宝飾品需要51.6%、触媒ならびに電子部門を中心とする工業用需要は48.4%へと急増。

さらに今後はこの比率が逆転拡大する事が予測され、従来の単なる宝飾相場より今後は、触媒・電子相場、すなわち景気指標の工業品相場という色彩を色濃くする事になる。
この様な需要拡大に対し、ロシアは本年、西側諸国における借り入れ金返済のため、高騰を続けたパラジウムならびに白金を売却。

市場は一時的に予期せぬ供給に下落するも、今後はロシアの売却は先細りとなる。
ロシアの生産拠点はセベロ・コリヤッタ・ノルリスク・コンディオールの4鉱山であるが、設備の老朽化とともにその生産効率に限りが生じ始めている。
むしろ本年は例外と考えた方が良い。

現在白金市場においてもっとも注目される要素に、2004年の無公害車規制が控え、燃料電池の極板用需要急増である。
そのスケールの大きさは目下予測不能と云われる。
要は世界の供給は南ア1国に事実上依存せざるを得ず、現在の北米の産出量ではあってないがごとし!! 

景気後退の叫ばれる中、貴金属の中で最も需給逼迫、健全性が評価されるゆえんである。
その南アでは、鉱山最大手アングロ・プラチナムは、2006年をメドに設備投資を行い、現行の200万トロイオンスより350万トロイオンスの増産計画を発表するも、現在の施設では4トン~5トンが増産の限度と云われ、2006年目標では気の遠くなる様な時間のギャップにて、現在の相場において材料となり得ず!! 

それでなくても、近年南アでは鉱山労働者・技術者の確保が難しく、労働条件の改善と賃金のアップは直接コストアップへと結びつき、スト多発の大きな要因となっている。生産を妨げる要因がここにもある。

南アの状勢も決して予断をゆるす状況ではないのである。
宝飾需要においては、日本の落ち込み分5トン分は、昨年は中国一ヶ国で補い、本年中国はプラチナジュエリー元年といわれ、さらに需要は増大する。

このプラチナ宝飾品のブームは、北米・欧州へと拡大。金の宝飾が主であったインドですらブームとなろうとしており、今や世界的プラチナジュエリーの見直しが進み、景気さえ落ち着けば需要は一気に拡大の要素有り。
さらに白金は電子産業においては、この5年間で2.5倍の需要急増。
パソコンの液晶画面やメモリー・光ファイバーの製造に欠く事はできず、産業関連では工場排気の浄化、および石油精製にも使用され、貴金属の中でも、最もその用途は広範に渡っている。

特に注目されるのは今後の燃料電池の需要いかんでは、年々そのギャップは増大の一途となる。
ゆえに白金は今後景気指標銘柄として他の貴金属とは特異な存在となり、燃料電池の需給いかんでは今後大型相場への発展を秘め、事実上の燃料電池相場元年。
その白金の将来の需要を大きく左右する燃料電池開発競争が、いよいよ各社しのぎを削る様相を帯びてきた。
この燃料電池における白金の需要増大が注目されているのは、90年にカリフォルニア州が命じたカリフォルニア環境規制ボードが、いよいよタイムリミットが近づいて来ているからである。

排出ガス基準はこの上なく厳しく、同州で販売する無公害車のパーセンテージを段階的に引き上げ、2005年をメドに世界で最も厳しくなると云われ、2003年から4年に、いよいよ施行実施に到る事となる。

このカリフォルニア規制による最も厳しい環境規制が、いずれ世界標準となる。
よってこのカリフォルニアを制する自動車メーカーが世界を制する事となり、現在7億台強と云われる自動車も、中国・インドを始め、アジアの発展次第によっては今後10年~15年で倍増すると云われている。ゆえに燃料電池を制するものは世界を制す云われるゆえんである。
このカリフォルニア規制に最も強く反対したGMならびにフォードは、目下一歩出遅れ、現在カリフォルニア州から低公害会社と認定を受けているのは、トヨタハイブリッド・本田技研・日産自動車の3社であり、フォードはついにトヨタとハイブリット技術において業務提携を結ぶ事となった。

しかし、ハイブリッドはあくまで燃料電池車への過渡期におけるツナギ。
ついにトヨタは6月18日、本格的実用燃料電池車を発表。
公道走行実験を始め、本格的に商業ベースへ乗せるべく、第一歩を踏み出した。
すでに日野自動車と燃料電池を搭載したバスの共同開発も発表しており、この燃料電池車での世界に向けた主導権獲得を目指す事を表明。最高時速150キロ以上、水素掲載満タン時においては、300㎞以上の走行距離と云う。今夏よりカリフォルニア州でも公道走行実験を開始し、商業ベースに乗せるべく、万全の態勢を取る事となった。
燃料電池は小さなベンチャー企業・バラードパワーシステムズがその開発の先鞭をつけ、今や自動車のみならず産業界に幅広く拡大・浸透、ケネディ宇宙センターよりジェミニ5号が打ち上げられ、その電力源が燃料電池であった事はつとに有名である。

地上と宇宙に跨るこの燃料電池の開発競争は、各社1000億円を優に超えるとも云われ、膨大な開発費を計上、その電極の礎となる白金需要はいずれ宝飾需要をしのいで行く事は間違い無い。
燃料電池の発電システムは、水を電気分解により、水素と酸素に分解した全く逆のシステム。水素と酸素を反応させ、水を作り出し、電気を取り出す仕組みであり、原理の考案者はイギリスのグローブの実験によりスタート。
目下水素を取り出す方法として、メタノールより水素を取り出す「メタノール改質型」と、ガソリンを改質して水素を取り出す「ガソリン改質型」と2分されている。

燃料電池にも様々な燃料電池が開発されているが、宇宙開発・軍事用より陸上の自動車に到るまで、最も有力視されているのが固体高分子電解質型燃料電池。
この燃料電池は水素極で水素燃料が水素イオンと電子に分解、イオン交換膜を移動し、酸素極に到り、電子および水素イオンが反応し、水が精製するシステムにて、プラス極は主触媒として白金を用い、フッ素樹脂との粉末を混合する方法と、カーボン粉末によるものと二通りあるといわれる。

マイナス極も同じく白金を用いるが、一酸化炭素の影響を最小限とするため、白金にルテニウムを添加したものが最も有効とされている。
目下自動車メーカーはメタノール改質型を目指しているフォード・クライスラー・三菱自動車に対するガソリン改質を目指すトヨタ・GMグループとに大きく別れており、トヨタはさらにハイブリッド技術をフォードに業務提携供与という複雑な構造になっているが、ガソリン改質のトヨタがこの燃料電池開発に成功すれば、メタノール改質の様な新たなインフラ設備を必要とせず、従来のインフラ設備をそのまま活用でき、他を圧倒リードする事は容易に予測する事ができる。
その折白金需要も急速かつ爆発的な需要となることも同様、容易に予測する事ができる。

すでに2003年までに間に合わすには、商業ベースを1年前に乗せる事が必要。
生産はさらにさかのぼる半年以上前より必要となり、残された時間はわずかしかない。今後いやがうえにも、白金需要は飛躍的に増大する事となり、南アフリカの増産体制、整うには2005年以降、この間のギャップは埋めようもない現実のものとなる。
白金は年初来ロシアの借り入れ金返済のため、パラジウム同様一時的に思わぬ供給増を招くのと同時に、世界同時不況、さらには米国同時テロにより、現在の価格水準に甘んじているが、需給は至って健全。
いずれ需給に見合う水準まで修正する事になる。
恒常的な逆ザヤでも有り、突っ込み安値を売って利を取れる水準では無い。

2003年中東さらに緊迫化する中、米大統領一般教書演説における第三の目標として
「環境を改善しつつエネルギー需給態勢の強化を新たな目標項目」へと加え、燃料電池搭載における自動車開発に12億ドルの補助金拠出を表明。この一般教書により日米を初めとする世界の自動車メーカーは新たな開発競争の段階を迎え、その普及と共に白金需要は飛躍的に拡大する事となり、一段の需給逼迫が予測される。

先物相場はその「先物」と称する通り、需給を先取り時代を先取りし、価格へいち早く転化してゆくことである。
今白金相場は、需給逼迫と同時に時代を先取りしている価格革命の文字通り序曲に位置しているのである。1~2年もたてば現在の価格はその折信じられない超安値となるであろう。

さらに2003年2月12日における日経紙の社説の中では「燃料電池が変える電力供給」と題し、自動車のみならず一般家庭で利用する燃料電池が相次いで開発されていることを報じ、早期の商品化が予測されている。

定置型はホテル・病院・高層ビルなどに設置、実用段階にはいっており、ここに一般家庭用が加わり、燃料電池の普及はいまや驚くほどの加速度を増している。
ここにこの白金が他の貴金属とは異なり、今後工業需要の革命的な拡大に到るゆえんである。
この価格革命期における白金の価格は、過去の高値・安値いずれもすでに参考にならず、留意されたい。
相場の今後の動向を予測する最大の要因は昔も今も需要と供給のバランス、すなわち需給要因が最も大きな価格変動要因の一つであり、貴金属を含め全ての商品はこの需給に基づく要因にて高下する事となります。
また輸入商品の場合は為替の変動による輸入採算の変化も重要な要因となります。さらには投機筋の動向により一時的に価格の変動が大きく上下にブレる事もございますが、基本は需給に基づく適正価格の追求という事になります。先物市場における価格変動の要因は、需給に関わる材料、外電・為替等の外部からの要因、取組・出来高・テクニカル等の内部要因、ファンド・商社の出方の波動を含むトレンドの方向等多岐に渡ります。
この需給に関して白金においては世界的に最も権威の高い白金需給分析会社の英国ジョンソン・マッセイ社の報告書に基づく需給が基本となり、さらには上記需給をふまえ今後の需給要因の方向性を探る思惑交錯し、そこに為替の値位置と共に投機筋の参入により新たなトレンドを形成、価格が構成されてゆきます。特に総需要が供給を上回る折はその供給不足の量を巡り上昇幅の測定さらには天井値の憶測を交え価格は順次切り上がって行くこととなります
白金の価格は1990年より1999年の10年間は安値330ドルより高値450ドル台で安定した価格で推移していたが、地球温暖化にともない自動車の排ガス規制が世界各国で強まり自動車触媒ならびにクリーンエネルギーの燃料電池等の開発によりその需要が著しく増加し始める事となった。
白金は電子産業においてはこの5年間に2.5倍の需要増加、パソコンの液晶画面やメモリー、光ファイバーの製造に欠く事はできず、産業関連では工場排気の浄化および石油精製にも使用され、その用途は著しく拡大されていった。
最も注目される要素に90年に米国のカルフォルニア州が命じたカルフォルニア環境規制ボード による無公害車のパーセンテージを段階的に引き上げるゼロ規制実施による燃料電池車の開発が急務になった事である。さらにEUの第4次排ガス規制によって我が国においても東京都の排ガス規制強化等と続き世界的に白金の触媒需要が一気に拡大する事となった。
特に最も規制の厳しいカルフォルニア規制は2004年より実質的に適応される事となり、現在燃料電池の開発ならびに新たな自動車触媒を巡り開発競争が行われている。
最も新しいジョンソン・マッセイ社の需給発表は昨年11月17日に発表されたプラチナ2003年中間報告書が発表され、それによると白金の供給は南アフリカが76%の生産高、ロシアが16%、北米その他の地域で8%の生産高にて、南アフリカ・ロシアにて9割以上の供給量となっている。
特に南アフリカの生産動向が市場に大きく左右する事となり、産出量は南アフリカにおいて144.6トン、ロシアは29.6トン、北米その他で15.9トンの供給トータル190.1トン。
一方需要は自動車触媒需要は48%の99トンであるが、その内スクラップ回収が約一割20トンあり、実質需要量は全体の38.5%。宝飾品需要は37%の76.2トンと、この二つの需要分野にて実に75.5%の需要を占める。
電気・化学の分野での需要が10.9%の22.4トン、ガラス・石油の分野にて5.6%の11.6トン、その他に関わる部分がわずか8パーセントという事になり、総需要合計は205トン。これらの状況よりジョンソン・マッセイ社は11月発表の折より向こう半年間14.9トンの需要超過による供給不足を発表。
これにより前回発表時点においては590ドルから690ドルの予測をこの発表を契機に700ドルから820ドルの上値切り替え予測を発表。この発表を契機に白金相場は年末より新たな上昇トレンドへ突入、今日に至っている。
当初今回のジョンソン・マッセイ社の発表は需給イーブンとの見方が存在していたが、蓋を開けてみれば14.9トンの供給不足となっており、その最大の要因はドル安によりランドの40%にのぼる切り上げ、採算に合わないとするアングロ・プラチナム社による大幅な生産削減見通しによるものではある。
ちなみに2003年度の初期の価格は570ドル台であり、現在の価格はすでに当時を49.12%上回る850ドル台を至現しており、白金の価格は通貨ランドの上昇率を上回る。
すでに採算値を充分回復している公算大にて、このような現状いつまでも南ア最大手鉱山会社アングロ・プラチナムが手をこまねいているはずもなく、次回発表の生産量上方修正の懸念がつきまとう。
さて、2005年もはや暮れようとしており、2006年を迎えるにわずか二ヶ月ほどの現在、この1~2年におけるアジア新興国中国・インドの触媒需要は爆発的な需要が予測され、同時に世界より原油の使用量急増は原油価格高騰の一因とまで指摘されるに到る。燃費の向上は今や重要な緊急課題にて、白金における触媒需要は今後ますます増大する事は必至にて、さらに最近は先端技術の工業品向けの需要も右肩上がりに増大、市場はむこう10年の白金価格上昇は必至との見方が定着しつつある。

東京大豆の価格変動要因

1.天候相場

大豆は天候によって左右され、4月から9月を天候相場という。
毎年5月~6月に作付けを行う。この時期に土壌水分が十分でないと作付けがうまくいかない。
観葉植物の種を植えるのに鉢の土が、ぱさぱさではどうにもならないのと一緒である。冬の降雪量や、3月~6月にかけての適度な雨量が必要となる。日照りが続いたり、逆に長雨だと作付け遅れが懸念されて価格が上がる。
春先に異常寒波が襲ったりしても発芽や生育に影響がある。
生育が順調に進むと7月~8月に開花し、着サヤする。この時期が最も大切な時期で高温乾燥となるとうまく受粉ができない。

お湿りが必要なのだ。受粉後でも乾燥すると花が落ちてしまうので適度な降雨が必要となる。米国の大豆産地は日本の、全国の8割はどの広さがあるので、人工的に水を散布することは不可能である。天の恵みを待つしかない。
9月から11月にかけて収穫の時期である。怖いのは早霜や長雨である。
実が貧弱となり、品質低下の原因となる。

豊作の要因は下げ、凶作の要因は価格を下げる方向に影響する。
最近はインターネットの発達で、米国の天気をリアルタイムで見ることができる。
例年7月4日の米国独立記念日を境にして、大豆やトウモロコシの価格は上げ相場や、下げ相場を展開し始める。7月初旬がちょうど受粉の最盛期となるからだ。

この前後の天気は、米国の天気予報を聞くのではなく、天気図や衛星写真を眺めながら、数日後の天気をご自分で予測して判断されたい。テレビや新聞で昨日や今日の天気がどうだったという情報を聞いて売買するのでは、一歩も二歩も遅れてしまう。
また、先物取引会社の営業マンの口ぶりや、商品相場に関するニュースでさえ、高温乾燥になりそうだとアオリがちである。天候相場は、慣れれば価格を予測することはそれほど難しいことではない。自分なりに天気図とにらめっこをしながら判断すれば、営業マンやニュースを元に売買している人が、多ければ多いほど勝ちやすくなる。

ブラジルのコーヒー園で霜が降りるかどうかというニュースも、営業マンからの話を鵜呑みにするのではなく、自分でブラジルの天気図をインターネットで見れば、たとえポルトガル語で書いてあっても、気温が零下になりそうかどうかくらいはひと目で判断できる。

2.比値

春先に米国の農家は大豆を作付けするかトウモロコシを作付けするか悩む。
その決め手となるのが大豆とトウモロコシの先物価格である。一般的に、大豆価格がトウモロコシ価格の2.4倍~2.5倍を超えると大豆をたくさん植え、トウモロコシが割高になると大豆の作付けは減って、将来大豆価格は上がる傾向にある。

3.USDAの需給報告

大豆やトウモロコシは、米国農務省(USDA)から定期的に詳細な情報が発表される。毎月10日~15日に需給統計が発表され、3月末には作付け意向面積が発表される。
これで大豆の作付け面積とトウモロコシの作付け面積の予想が立てられる。需給統計は通常は机上計算だが、8月の需給統計は実地調査に基づくものが発表される。

毎週月曜日(日本時間火曜日)に生育進度、土壌水分が発表される。また、毎週月曜日(日本時間火曜日)に輸出検証高(輸出された量)、木曜日(日本時間金曜日)に輸出成約高(輸出契約された量)の発表がある。

4.南米の動向

ブラジルは米国に次ぐ大豆生産地で、年々生産が増えている。南半球にあるので米国とは逆になり、10月から12月にかけて作付けする。1月に開花・着サヤ、2月中旬から5月にかけて収穫される。
リオグランデドスル州とパラナ州が二大生産地であったが、北部のマトグロッソ州でも栽培され始めている。

5.民間予測

大豆の穀物情報は、米国農務省(USDA)がこまめに発表してくれる。
その発表の度に一喜一憂して相場は変動するが、公式発表の前に民間予測会社が自分たちの予測を発表する。
その時点で豊作とか凶作の情報を相場は吸収するので、USDAの公式発表はたとえ豊作と発表されても上がることもある。
なぜなら、予想より在庫の水準が少なかったとか、収穫量の予測が事前予測よりも悪かった等によるからだ。
USDAの発表数字は絶対値での評価というよりは、それまで考えられていた予測との乖離率に対して動くと言える。

6.情報のインパクト

先物取引業者の中には、USDAの発表と同時に自社のデータを書き換える丁寧な会社もある。しかし、それを見てから明日の相場を判断するのでは遅い。
例えば、期末在庫が前年より少ない見込みであるとUSDAが発表したら、既に相場は上がっている。

このことを頭の中に入れて、さらに上がるかどうかを判断する。豊作であったり、凶作であることは、相場全体に影響を与える。豊作が確実視されている場合、中国向けの輸出が少し増えた程度のニュースではなかなか価格は上がらない。
一方、在庫が少ない場合は、どこからの国に少し輸出成約しただけで、価格は跳ね上がる可能性がある。

だから、ファンダメンタル(基礎)なのである。
USDAの資料は、プレイヤー全員が必ず参照するデータであるので、あなたが知った時点では既に織り込み済みである。

次にどうなるかが問題となる。天候なら、来週高温乾燥になると思えば買い、実際に翌週そうなれば、儲かるという具合である。相場は予測のゲームである。情報は過去のものなので、それらの情報やデータを元に明日を予測する。
予測する時点では、明日のことは何も分からないのが普通である。だから、予測には常にある種の苦痛が伴う。

7.発表の時点

USDAの資料は、シカゴの市場が始まる前に発表されるものと、シカゴ市場が終わった後で発表されるものがある。後者の情報は、東京穀物商品取引所で初めて市場に反映される。
日本の市場が始まる午前9時以前に、米国市場の動きやUSDAの発表内容を報じた外電に目を通しておくことは必要であろう。
具体的には、生育進捗状況や作柄状況はシカゴの月曜日の引け後に発表される。従って、日本市場が一番早く知ることになる。

東京大豆の特徴

大豆は、商品先物取引の代表選手である。トウモロコシと並んで、その取引の歴史はシカゴボードオブトレード(CBT)の生い立ちに映し出されている。
大豆は約5,000年前、中国で栽培が始まったと言われている。「枝豆」「豆腐」も唐(618~907年)の中期に作られたという。
しかし大豆が、豆腐や味噌・醤油、枝豆などの食品として使われるのは生産量の2割程度である。

大部分は圧砕され、油を絞られ大豆油と大豆粕として使われている。大豆油はみなさんの食卓に乗るサラダ油、マヨネーズ、あるいはシャンプーや洗剤、インク等の原料となっている。
油を絞られた後の粕は、別名「大豆ミール」と言って、東京穀物商品市場に上場されているが、養鶏用など家畜の餌になる。

日本は世界第三位の大豆の輸入国である。中国が第一位で約500万トン、オランダがそれに続く。
オランダはヨーロッパの窓口という意味であろう。作る方は、アメリカが4割強、ブラジルとアルゼンチンがそれぞれ2割前後、中国1割弱である。

中国では旧満州の東北地方で生産しており、大連の商品先物取引所に上場されている。米国では中西部つまり五大湖の左下~下の地域で生産されている。インディアナ州・オハイオ州・ミシガン州で作られた大豆をIOM大豆と呼んでいる。

東京コ-ヒ-の価格変動要因

1.干ばつ・洪水

干ばつや洪水、あるいはエルニーニョによる天候異変は収穫高に影響を与える。一般的に、農産物の天候異変は、もっぱら干ばつである。多雨の場合は、作業が遅れるという影響に過ぎず、2003年夏の中国の長雨のように、畑を押し流してしまうほどの洪水でないと農産物への影響は少ない。

2.干病害

コーヒーの場合、「さび病」が恐れられている。最初、黄色い斑点が見え、次第に大きくなり褐色となる。
やがて範囲を拡げ、濃褐色になっていくうちに、葉は黄色く変色して落ちてしまう。菌の繁殖力が強いため汚染地域が拡がりやすい。

3.需給統計

米国農務省(USDA)、国際コーヒー機関(ICO)、ドイツのF・O・リヒト社、コーヒー生産国連盟(ACPC)等が需給統計資料を発表している。USDAは毎年6月と12月に需給発表する。
在庫統計はCSCEの認証在庫あるいは、ニューヨークグリーンコーヒー協会発表の米国コーヒー港湾在庫統計が有用である。農産物は貴金属ほどはっきりした需給統計が少ない。
USDAがかなり多くの資料を発表しているが、米国中心の資料であり、世界の需給を表現したものが少ない。
世界各国の需要と供給を正確に表す統計資料は見当たらないと言っても良い。
そこで、需給動向の掌握する鍵が在庫の推移となる。在庫は需要と供給のバランスを表すものである。だから、在庫が増えれば価格は下がる。

4.降霜・降雪

大豆やトウモロコシのような一年草と違って、コーヒーは木の実を取る多年草である。木から生豆(グリーン・ビーンズ)ができるまで約3年かかる。木が枯れてしまうからだ。ブラジルではパラナ州などの高知で栽培される。降雪は7月~8月にあり、降雪に遭うと葉は茶褐色に変わり、樹木全体が枯死してしまう。

コーヒーの収穫時期は5月なので7~8月の降雪や霜害による影響は、その年の生産量というよりは翌年以降の生産量に影響する。過去にあった降雪や降霜の害は以下の表の通りである。それほど頻繁に起こっているわけではない。

東京コ-ヒ-の特徴

コーヒーの生まれ故郷はエチオピアと言われる。「六世紀頃、アビシニア高原の山羊飼いカルディは、山羊の群が牧場近くの赤い木の実を食べた後、騒がしく興奮状態になっているのを発見した。

不思議に思ったカルディは、近くの修道院の僧にこのことを話し、一緒にその赤い実を食べてみたところ全身に活力がみなぎり、気分が爽快になった。
早速彼は、夜の夜勤のときに居眠りする他の僧侶たちにこれをすすめてみると、居眠りすることなく勤行に励むことができるようになった」という伝説がレバノンの言語学者ファウスト・ナイロニ「眠りを知らない修道院」(1671年)に記されている。

他にも1258年アラビアの回教徒シェーク・オマールのいい伝えもある。いずれにせよアフリカから始まったこのコーヒーはアラビア半島に伝えられ、煎じて飲まれるようになった。
やがて、1510年カイロ、1530年ダマスカス、1554年コンスタンチノープルでコーヒー店が誕生した。そして、ベネチア経由でヨーロッパに伝えられた。
イギリスにコーヒーハウスが誕生したのは日本では江戸時代の1650年のことである。米国ボストンには1697年「グリーン・ドラゴン」というコーヒーハウスができた。
「ボストン茶会事件」は、オランダやフランスに敗れたイギリスが、紅茶に転向。「茶条例」を施行して輸入紅茶を独占し、価格を大幅に上げ、重税を課した。
これが植民地アメリカの急進派の厳しい怒りを買い、1771年人々はインディアンに扮そうしてボストン湾に停泊中のイギリス東インド会社の船舶を襲い、貨物に積んであった紅茶342箱を海中に投げ捨ててしまった。
これ以降、アメリカは紅茶からコーヒーに転向した。

日本には1641年長崎出島のオランダ商館で飲まれ、オランダ人と接触のできた役人や商人、通訳、遊女の口を潤した。明治16年に建てられた「鹿鳴館」ではコーヒーがもてなされた。最初のコーヒー店は明治9年である。
コーヒーを栽培している国は世界で60ヶ国以上ある。赤道を中心に南北緯25度以内の熱帯または亜熱帯を含んだ地域がコーヒーベルトと呼ばれる。

コーヒーにはアラビカ・ロブスタ・リベリカの3種類がある。通常、喫茶店で飲むものはアラビカ種と言われる。
世界総生産の7割を占める。エチオピア原産で高音質に弱く、また、5℃以下の低温が続くと降霜降雪の被害を受けやすい。
主要産地はブラジル・コロンビアなどの中南米諸国、エチオピア・グアテマラ・インド等。

ロブスタ種は、原産はアフリカのコンゴ。多くは標高600メートル以下の低地で栽培される。気温湿度とも高めで、アラビカ種はサビ病に弱いが、ロブスタ種は強い。主要産地はインドネシア・ベトナム・コートジボワール・ウガンダ・タイなど。

ロブスタ種はもっぱら、インスタントコーヒーや缶コーヒーに使われる。アラビカコーヒーは東京穀物商品取引所以外にはニューヨークのコーヒー・砂糖・ココア取引所(CSCE)、また、ロブスタコーヒーはロンドンの国際金融先物・オプション取引所(LIFFE)に上場されている。これ以外にもブラジル商品先物取引所(BM&F)等がある。

コ-ヒ-は、ブラジルとベトナムで74.9%の生産であることを覚えること。
世界第一位のアラビカコ-ヒ-  : 47.7%は南米(ブラジル)で生産されます。
世界第二位のロブスタコ-ヒ-  : 27.2%はアジア(ベトナム)で生産されます。
ブラジルとベトナムで世界のコ-ヒ-生産の74.9%を生産しています。

コ-ヒ-は、「コ-ヒ-ベルト」と呼ばれる南北回帰線にはいる60ケ国以上の国々で生産されています。
このほとんどが発展途上国で、2500万家といわれる生産農家の90%以上が零細規模の低所得者層であります。
しかし、「原油」に次ぐ世界第二の貿易額を誇る重要な国際商品であることをご存知でしょうか。

世界のコ-ヒ-消費国について

国別ではアメリカ(20%) ブラジル(14.6%) ドイツ(9.1%) 日本(7.1%) イタリア(5.5%) フランス(4.8%)・・・ロシア(2.9%)  韓国(1.4%)であります。

一人当たりの年間消費量

フィンランド 11kg . スウェデン 10kg. ノルウエ- 9.9kg. デンマ-ク 9.1kg.
・ブラジル 14.7kg・・アメリカ 4.4kg.・・日本 3.4kg.・イギリス 2.3kg

世界コ-ヒ-の消費

1995年 1億袋 (袋60kg)
2005年 1億2000万袋
2010年 1億3500万袋
2015年 1億5000万袋になると予想されています。

コ-ヒ-生産高

単位(100万袋/60kg)
ブラジル 40.6(100万袋/60kg)
ベトナム 16.2
コロンビア 11.5
インドネシア 8.1
インド 4.2
エチオピア 3.9
グアテマラ 3.7
メキシコ 3.4
ペル- 2.9
ホンジュラス 2.6
ウガンダ 2.5
コスタリカ 2.0
コ-トジボワ-ル 1.8
エルサルバドル 1.5
パプアニュ-ギニア 1.1
ニカラグア 1.1
タイ 0.9
ケニア 0.8
ベネズエラ 0.7
カメル-ン 0.6
その他40各国あります。
コ-ヒ-相場は政治の市場介入があるのです。
世界機構IOCは、故人ケネディ大統領が提案して出来たのです。
1960年代初頭、アメリカの裏庭といわれた共産主義の中米・カリブ海諸国への侵入を恐れた
当時のケネディ大統領が「貧しいコ-ヒ-生産国へ、コ-ヒ-価格で援助を」と発案して、それがきっかけでIOCが設立されました。
1970年から1989年まで、コ-ヒ-価格維持の目的で「輸出割り当て制」による経済条項が導入されていました。

その後、コロンビア・中南米産地国を中心とした生産国団体「ボゴタ・グル-プ」による介入があり、資金不足により崩壊をしてしまいました。
その後、原油の生産国グル-プOPECの真似事のような組織が出来ました。
主な生産国主導で「ACPC」が結成され、介入を試みたが、これもインドネシア等の一部の国の反対で崩壊してしまいました。

その後、米国は2001年よりテロを防ぐ目的からIOCに復帰しました。
エチヤピアでは貿易額の45%がコ-ヒ-であります。
オガンダでは60%を超えているのです。
コ-ヒ-輸出に大きく依存する発展途上国が多いことを考えると、今後とも政治的介入の可能性があるコ-ヒ-相場であります。
ほとんどの国はアメリカ通貨ドルで取引をしている。

コ-ヒ-が輸出される時に現地通貨から米ドルに転換され、また輸入国は、輸入さるる時点でその国の通貨に転換されます。このことから、米ドルが強くなれば、輸出国では輸出価格が安くなり、輸出業者の現地通貨での輸出金額が増え、輸入国では、輸入価格が高くなり、輸入業者の現地通貨での輸入金額が増えます。
逆に、米ドルが弱くなれば、輸出国では輸出価格が高くなり、輸出業者の現地通貨での輸出金額が減り、輸入国では、輸入価格が安くなり、輸入業者の現地通貨での輸入金額が減ります。
簡単に言うと「ドルが強くなれば輸出が増えて、売り圧力が強まり相場は下がります。
ドルがやすくなれば輸入圧力が増えて買い圧力が高まり、相場は上がるのです。

生育日程

1 播種
1年前後
2 40~50センチに育った苗を農園に移植
2年前後
3 開花、受粉期
数ヶ月
4 結実(実は緑色)
実が成熟するまでの期間は アラビカ種6~9ヶ月
5 実の成熟
2週間で熟成
6 収穫期ブラジルでは翌年5~9月に収穫、樹木のピーク収穫期は5年以上10年まで

コ-ヒ-の知識

コーヒーの花はジャスミンに似た芳香をはなつ白い小さな花である。花の開花時期は3日前後と短くその後、緑の実を付け、時の経過と共に黄色に変色し、熟す毎に赤みを増しチェリーリーレッドとなる。
その期間はアラビカ種で6ヶ月から9ヶ月ロブスタ種では9ヶ月から11ヶ月と期間は極めて長い。コーヒーはアカネ科のコーヒーの樹になる果実の種子にて、原産地はエチオピア高原山岳地帯に樹生していたと云われる野生のコーヒー樹木の発見が起源といわれる。その後全世界に移植されたアラビカ種は世界総生産量の70%をしめるにいたり高地産であるが為、冷害・干ばつ・熱波の影響を受けやすい、極めてナイーブな樹木である。
よってコーヒーの栽培最適地は赤道付近で2000から2500メートルの高地平均気温20度、年間気温差は極力少ないことが望ましい。一方一日一日の状況においては、ある程度気温差がある方が円熟させるのに都合良く、特に開花期の降雨は重要であり年間1500ミリ以上を必要とする。
これらの限られた地域をコーヒーベルトと呼び、アラビカ種のみならずロブスタ種においても赤道を挟み南北25度の限られた地帯、北回帰線ならびに南回帰線の間に入るコーヒー生産国地帯をコーヒーベルトと呼ぶ。種類はアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の三大品種からなり、アラビカ種は70%を占める最大品種である。

主要生産国はブラジル37%コロンビア13%メキシコ7%エチオピア5%グァテマラ5%インド5%その他多くの国28%の比率にて、特筆すべくはブラジルとコロンビアを合わせれば50%の総生産量の半分を有することである。とくにブラジル豊作の折は全体の40%以上の生産を誇ることとなり更に注目すべくは、そのブラジルの生産量の殆どがミナスジェライス州に集中することであり、アラビカコーヒーの国際価格はブラジルミナスジェライス州を中心とした気象条件にかかってくると云っても過言ではない。
たとえばコーン相場は直接米国主産地である中西部の天候いかんに影響されるが、収穫の少ない南部諸州の干ばつ等がいかにひどくてもコーンの材料になりえないと同じように、アラビカにおいてもその他の諸国における気象条件は殆ど材料になりえず。
アラビカコーヒーにおいては主としてブラジルコロンビアの二大生産国の天候並びに気象条件が主たる材料であり、特に開花期から収穫期においてその雨量・気温はコーヒー相場において最大の材料である。
ブラジルでのコーヒー栽培が始まったのは、1730年前後と云われ、フランス領ギアナからパラナ州へ導入された。パラナ州はブラジルの南部に位置し度重なる降霜被害の為、現在では北部のミナスジェライスに集中栽培する事により、降霜被害を軽減!! 
ブラジルの収穫最盛期は5月上旬より9月の下旬まで、また生産国第二位のコロンビアは4月上旬から6月下旬までの3ヶ月間、即ちアラビカ種の殆どの収穫最盛期は4月上旬より9月の下旬の約6ヶ月間に集中する。
一方主な輸入国は米国ダントツの30%、第二位はドイツの17%、三位日本の10%と続き、フランス9%、イタリア8%、スペインは5~6%、その他の諸国にて20%前後と云う事となる。日本においては今より200年以上前の事にて、長崎出島に伝わったのが最初と云われるが、今や世界第三位の消費国である。
アラビカコーヒーの変動要因は、主要生産国の天候状況、主要消費国の在庫状況が2大変動要因。その他に為替の上昇下降、さらには生産国の輸出ならびに在庫留保状況、その他生産国の政情、生産国在庫状況、消費国の消費増減、競合品のココア・紅茶等の価格動向等あるが、上記三大変動要因に主たる注意は充分にはらうべきであろう。
なお、国際コーヒー機関(ICO)による世界需給の発表の数字は、つねに念頭に入れるのはもちろん、米国のコーヒー在庫(USDA)の発表にも留意すると同時に、コーヒー生産国連合(ACPC)の輸出留保計画ならびに在庫留保計画等の動向も注意する必要がある。近年各国の豊作が続き在庫は増大の一途となり、価格は市場空前の低レベルに位置しており、一年前よりACPCにおける価格維持の為の政策は現在事実上の失敗。
記録的な安値に位置し主産地における次年度のコーヒー開花も順調に進みブラジルの豊作が予測されるところ。
相場はこれらの弱材料を折り込み、記録的な安値を続けているが、すべての弱材料はほぼ吸収された模様であり、為替・気象条件・消費動向によっては、底値より上昇へ転ずる可能性を秘め、現レベルでの売り方針より、むしろ突っ込み買い方針を取るべく値位置である。

外為の価格変動要因

現在、製作中

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